川崎区・幸区 人物風土記
公開日:2026.05.15
川崎消防署の署長に就任した 渡邊 勉さん 相模原市在住 55歳
風通し良く、強固な組織へ
○…初めての署長職。138人の署員の陣頭指揮を執るにあたり「働きやすいよう風通しの良い組織にしたい」と柔和な表情で語る。人一人の力には限界がある。「得意分野を活かせばチームとしても強くなる」と指針も示す。目下の課題は川崎区内の火災件数の上昇率。出火原因の多くは、タバコの不始末やモバイルバッテリー、電源タップとされている。救急隊の経験から多様な生活スタイルがあることは理解している。外国につながりがある人が多いこのエリアで、言語や文化の壁を越え「命を守る情報を届けていくことが必要だ」と前を向く。
○…相模原市出身。化学の授業が楽しく理系の道へ進んだ。大学の教授から「火災の発生元を科学的に分析する部署がある」と助言を受け、川崎市消防局へ入局した。
○…初めての配属は救急隊。緊張感のある現場経験が消防隊員としての自覚と責任を教えてくれた。その後、火災原因の解明にあたる調査部門へ。窓から差し込んだ陽光が鏡に反射し、一点に集中して発火。「これで火災が起きるのか」など日常に潜む危険を学んだ。東日本大震災後に出向した総務省消防庁では、以後の地震に備え、石油コンビナートの安全対策の取り纏めに尽力。これまでの経験と知識を活かし「被害を最小限したい」と懸命に努めた。
○…署長として、区内の関係者団体に挨拶に伺うと「応援してくれたりと、協力的な人ばかりでした」とこの土地の温かさを知った。まちの安全は、消防団など区民の助けがあって保てる。区内を安全に導くために「感謝を忘れず連携していきたい」と気を引き締める。忙しい日々から趣味の読書はひと休み。「ここまで来られたのは家族のお陰」と妻と娘に感謝の気持ちも忘れない。
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