川崎区・幸区 人物風土記
公開日:2026.07.31
臨港消防署長を務める 福本 照夫さん 宮前区在住 56歳
感謝重ね、地域の安全守る
○…約180人の職員が所属する臨港消防署のトップとして地域防災の指揮を執る。臨港署勤務は今回で3度目。複雑化する災害や予防業務は、決して1人の力では対応できない。「得意な分野で互いをカバーし合い、助け合う組織を作る」ことを目標に掲げる。署員には仕事は「楽しく」「真剣に」「丁寧に」向き合うことを説く。
○…小学校1年生から剣道に勤しみ、国士舘中学2年時には団体戦で全国出場した。現在は教士七段の腕前だ。消防の世界を目指したのは、小学校時代の恩師の勧めと剣道を通じて身に付けた「とっさの判断力」と「瞬発力」を生かした仕事に就きたいとの思いから。1988年に入庁し、幸署を振り出しに、市内8署を順次異動しながら現場経験を積んだ。
○…95年に臨海部の石油コンビナートで発生した硫化水素ガス漏洩事故は忘れられない出来事。当時、臨港署の救助隊・水難救助隊として現場から次々と入ってくる膨大な情報を整理し、指令センターへ正確に送る役割を担ったが、極限状態での情報処理に多大な苦労を味わった。「早期に正確な情報を集め、現場の全体像・被害規模をいかに早く把握するかはこの時得た教訓」という。現在の組織指揮や判断の大きな基礎となっている。
○…自宅のある宮前区からバスと電車を乗り継ぎ、片道約1時間30分かけて通勤する。その移動時間を活用して、動画サイトYouTubeの講座動画などで勉強を重ね、「福祉住環境コーディネーター」の資格取得に挑戦している。昇任試験や昇段審査など、ここぞという人生の大きな勝負の前日には、ゲン担ぎとして必ず「カツ丼」を食べる。毎日、鏡に向かい「ありがとう」を3回繰り返すことを欠かさない感謝の人でもある。
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