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公開日:2026.08.07

富士通RW宮澤夕貴選手 「ありのままの姿で挑む」 病抱え秘めた覚悟と決意

  • 「コートでプレーする姿を見に来てほしい」と宮澤選手

    「コートでプレーする姿を見に来てほしい」と宮澤選手

 女子バスケットボールWリーグ・富士通レッドウェーブの宮澤夕貴選手(33)が自己免疫の病気「バセドウ病」であることを公表した。抱えていた葛藤、そして病気を受け入れた上で見出したモチベーション。日本代表としても期待が掛かる中、「病気を言い訳にせずバスケを楽しみたい」と語る強い覚悟と思いを聞いた。

 本当はずっと言わないでおこうと思っていた――。誕生日前日の6月1日、宮澤選手はバセドウ病であることを自身のSNSを通じて公表した。周囲の知人や友人に打ち明けた際、同じ病気や体の不調に悩んでいる人が予想以上に多いことを知った。「自分がコートで元気に頑張る姿を見せることで、同じ病気で闘っている人の励みになれるかもしれない」。そう直感したことが、大きく背中を押した。

 葛藤ともどかしさの連続だった。体調の波からパフォーマンスに影響が出ても、周りに本当の理由を言えない。代表活動などで事情を知らないチームメイトやスタッフに対し、「いろいろあって」と言葉を濁すことしかできない自分に、隠し事をしているような申し訳なさと焦りをずっと感じていた。「バレないように過ごすのではなく、病気を受け入れた上でしっかりプレーする姿を見てほしい」。33歳のスタートとともに、「新しい自分」としてコートに立つ道を選んだ。

 現在は投薬治療をしながら数値を安定させ、コンディションを整える日々が続く。トップアスリートとして波のある体調と向き合いながら高いレベルでプレーを継続することは、決して容易なことではない。それでも前を向いて歩み続けられる理由は、自身のモチベーションの大きな変化にあるという。「周囲の人の支えが一番のモチベーションだったけど、そこに『バセドウ病の人々のために』という気持ちが新たに加わった。弱さをアピールしたいわけじゃない。病気を抱えていても頑張り続けられるんだ、できるんだという姿を見せたい」。力強いまなざしでそう語る。

 9月にドイツで開催される女子バスケのW杯に向け、日本代表の主将としても大きな期待を背負う宮澤選手。「病気を言い訳にはしたくない」と語る彼女が今季最も意識しているテーマは「仲間とバスケットボールを心から楽しむこと」だ。

 「自分が暗い顔をしていてはチームに良い影響を与えられない。どんなに苦しい状況であっても楽しんでプレーすれば、仲間にもファンの人たちにもポジティブなエネルギーを与えられるはず」。数々の苦難を乗り越えてたどり着いた原点が、彼女のプレーを一層力強いものにする。

「恩返しはコートの上で」

 富士通レッドウェーブのホームタウンである川崎について、「温かく力強いパワーをもらえる大好きな街」と微笑む。「パワーをもらってコートに立てているので、勝利や最高のプレーを見せることで地域の皆さんに恩返しをしていきたい」

 「ぜひ会場に足を運んで、生のプレーを見に来てほしい。家族や友人らと一緒に楽しんでもらえたら本当にうれしい」。病を受け入れ、さらに強く優しくなったエースは、ファンの歓声を背に受けながら、これからもコートで輝き続ける。

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