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共和出身プロボクサー 石澤開選手、日本王者に ミニマム級 8回TKOで

スポーツ

公開:2022年1月20日

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獲得したチャンピオンベルトを肩にかける石澤選手=11日、後楽園ホール
獲得したチャンピオンベルトを肩にかける石澤選手=11日、後楽園ホール

 共和出身・在住のプロボクサーで、日本ミニマム級(47・62kg以下)1位の石澤開選手(25)=M.Tジム=が11日、後楽園ホールで行われた同級王座決定戦で、同級3位の森且貴選手(21)=大橋ジム=に8ラウンド(回)2分50秒TKO勝ちし、第32代チャンピオンに輝いた。

 石澤選手は共和小・中学校出身。中学2年で始めたボクシングを武相高校、日体大で磨き、2018年に日本ユースミニマム級王座を獲得した。前の試合までの10戦で9勝8KO(1敗)と最軽量級離れした剛腕で鳴らし、武器の右ストレートを携えて日本タイトルに手が届く位置まで駆け上がってきた。昨年10月に「最強挑戦者決定戦」を制し、タイトルマッチへの挑戦権を得ていた。

 今回の試合は、現WBO世界同級王者の谷口将隆選手(ワタナベジム)が返上して空位となっていた日本王座をかけた一戦。相手の森選手はここまで9戦9勝(2KO)と負けなしで、19年の全日本新人王にも輝くなど快進撃を続けてきた。この難敵に対して石澤選手は、相手の武器である左ボディへの対策や、自身の強打を生かすための細かいパンチを練習して戦いに備えてきた。

互いに持ち味発揮

 いざ決戦のゴングが鳴ると、試合は序盤から近距離で互いにパンチを打ち合う展開に。一発のある石澤選手に的を絞らせたくない森選手はスピードを生かして動きながらリズミカルに速いジャブやボディを繰り出す。一方の石澤選手も相手の動きを止めるため、じりじりと距離を詰めながら強打を放つ。互いが持ち味を発揮する一進一退の攻防が続く。

 5回が終わり、公開採点は判定員3人ともに48対47と石澤選手が僅差でリード。手数で上回る森選手をポイントではなかなか突き放せず「このまま判定ではまずいかな」という思いもよぎった石澤選手だったが、試合中盤、頭を下げて放つカウンターに手応えをつかみ、徐々に相手にダメージを蓄積させていった。

 6回、7回と両者とも足を止めて気迫のこもった激しい打ち合いが続く。そして迎えた8回。気持ちの強さを見せて手数をさらに増やしてきた森選手へ石澤選手が右のカウンターを見舞い、そこから左右の連打をまとめると、相手はマットへ崩れ落ち、10カウントの途中で敵陣営が棄権を申し出るタオルを振った。レフェリーが試合をストップすると、石澤選手は雄叫びを上げた。

ボクサー 石澤選手「地元にベルト」有言実行

 「まだ実感がわかないがホッとしている」。リング上でマイクを握った石澤選手は、受け取ったばかりのベルトを肩にかけ、王者になった感想を述べた。相手の森選手について「パンチを何回も食らってもしっかり打ち返してきて、すごく気持ちの強い良いファイターだった」と称え、「(戦前)相手も言っていたが最後は気持ちの勝負だった」と激闘を振り返った。王者像を問われると「日本チャンピオンにふさわしいボクシングをしていきたい」と誓った。

的確な自己分析

 2017年6月にプロデビューを飾り、翌18年には24歳未満の若手ボクサーのために創設された日本ユースの初代王座に輝くも、「世界王者への通過点」と気を緩めることなく鍛錬を重ねてきた。強打が武器だが、上位をめざすには「当たらなければ意味がない」と、細かいパンチで相手の動きを止め距離を詰めるスタイルの確立をめざしてこの試合でも実践。激戦の中にも手応えをつかんだ様子で、「接近戦ではなく超接近戦(に持ち込む)。僕しか打てない距離がある」と今後に向けた自己分析もできている。二人三脚で挑戦を支えてきた岡田隆志トレーナーも「言うことがない。自分の長所も短所もわかっており、自分で改善し次に挑んでいく。頼もしい」と舌を巻く。

 次戦は未定だが、日本チャンピオンになったことで世界タイトルへ挑戦できるようになり、プロ戦績で唯一の黒星を付けられた現世界王者の谷口将隆選手と再び拳を交える可能性もある。「そういう話があればいきたい。雪辱を晴らして世界王者になれば一番理想的なリベンジ」と再戦に向け闘志をみなぎらせる。

 所属するM.Tジムでは、現役引退した三垣龍次さん(ライト級)、現WBO世界フライ級王者の中谷潤人選手に続き3人目の日本タイトル。村野健マネージャーは「彼にとって大きな分岐点だった。中学時代から長い間、厳しい練習に取り組んできた。世界挑戦も大いに期待している」と祝福した。

「次も持ち帰る」

 戦いを控えた自身を気遣い、正月も静かに見守ってくれた家族や祖父母、親戚に「ベルトを見せたい」と笑みを浮かべる。もちろん自身も決戦に向け年末年始を返上した。「餅も食べていない。家に帰っておいしいものを食べたい」と安堵の表情をのぞかせる。

 「生まれ育ったまちにベルトを持って帰りたい」。日本タイトルマッチへの挑戦権を得た前回の試合後にそう語り、有言実行。「相模原へ無事にベルトを持ち帰れて、少しは胸を張れるような結果を残せたのかなと思うと同時に、これからも精進して、また次のベルトを持って帰れるよう頑張る。応援していただけたらうれしい」と先を見すえて力強く話した。

相手にパンチを当てる石澤選手(左)=11日、後楽園ホール
相手にパンチを当てる石澤選手(左)=11日、後楽園ホール

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