相模原市は相模原駅北口地区(相模総合補給廠一部返還地15ha)について3月29日、土地利用計画の方向性を公表した。昨年12月に市ホームページなどで公表した「中間まとめ」の7ケースから、市民アンケートや地元団体などからのヒアリングなどを反映して、3ケースに絞り込んだ。今後は2024年度中に、土地利用計画を策定する予定。
同地区は、相模原駅北側に広がる米軍相模総合補給廠約214haの一部で、2014年9月に国に返還された約17haのうち、道路・鉄道用地を除いた約15ha。用地は国の所有となる。
相模原市は20年に「多様な交流が新たな価値をうみだす ライフ×イノベーションシティ」とするまちづくりコンセプトを策定した。
22年5月には導入する機能を定めた「土地利用方針」を策定し、この方針を基に同年7月に土地利用計画の検討を行うため、学識経験者や公募により集められた市民、民間事業者など11人で構成する「土地利用計画検討会議」を設置した。これまで計5回の会議を開催し、併せて民間事業者へのヒアリングなども実施。12月には同計画に対する方向性の「中間まとめ」を公表した。
中間まとめでは▽低層・中層マンションを中心に地域型ホールや商業施設などを盛り込んだ「ライフ重視型」の2ケース▽オフィスビルや多目的ホール、交流施設を中心に高層マンションや商業施設などを盛り込んだ「イノベーション重視型」の2ケース▽スタジアムや大型商業施設、文化交流施設を中心にした「交流重視ケース型」の3ケース――の計7ケースを提示した。
これを市のホームページやオープンハウスでのアンケート、地元・子育て・経済団体などを通じて計340人の回答を集約した結果、3ケースに絞り込んだ。
「にぎわい機能を備えた中層低密度・ライフ重視ケース」は、中層共同住宅をメインに住居スペースを確保し、比較的小規模な地域型ホールや商業、コワーキングスペースなどを組み込んだオフィスを配置する案。
「職住近接高層高密度・イノベーション重視ケース」は、研究開発やインキュベーションなどの開発共創に取り組むオフィスや大規模商業施設、駅前の利便性を生かした高層住宅を配置し、交流ハブを介して機能相互をつなぐ職住近接の環境づくりを目指す案。
「スタジアム・商業を核とした高層高密度・交流重視ケース」は、スタジアムを概ね中央に配置し、周囲に商業・宿泊施設や高層住宅やオフィスなどを配置する案。
市によると、一般市民では「スタジアムを中心とした配置をケース」を選択した人が多かったという。24年度中に具体的な土地利用計画を策定する予定としている。
脱炭素の取組も
また、2050年までに二酸化炭素排出実質ゼロを目指す国の方針に基づき、21年8月に策定した相模原市の脱炭素社会に実現に向け達成までの道筋を示す「さがみはら脱炭素ロードマップ」に沿い、脱炭素型まちづくりを基本的な考え方に取り入れる。地区全体でゼロカーボンを実現し、全国や世界に先進的なまちづくりとしてアピールしていきたい意向。
市相模原駅周辺まちづくり課の担当者は「今後は、地元住民、民間視点を取り入れ、3つのケースをそのまま取り入れるのではなく、最も良い形の土地利用計画を策定したい」と話した。
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