通学路における児童の安全対策や見守り活動を行っている人たちが、日ごろの活動の中で抱えている疑問や不安などを共有しようと相模原市教育委員会が主催した「情報交換会」が8月19日にけやき会館で開かれた。担い手の高齢化、子どもたちへの声の掛け方など、共通の課題が浮き彫りになった。
この日の意見交換会には「学童通学安全指導員」と「学校安全活動団体(見守り隊)」に参加する44人が参加した。
指導員は信号機が設置されていない交通量の多い道路の横断歩道や人家がなく極端に人通りが少ないなど、各校が「危険箇所」と指定している場所に立つ。市が任用する有償ボランティアで170人が活動している。一方の見守り隊はPTAや地域が主体となり組織し活動している。
担い手の高齢化
この日はグループに分かれ、それぞれが普段の活動や工夫、困った時の相談者、学校内での情報共有方法などについて討議=写真。その中で多くのグループで議題となったのが「担い手の高齢化問題」だった。指導員やボランティアの高齢化に伴い見守り活動の担い手が減少している実情が改めて浮き彫りになった。
こうした実態を受け市は、今年度から新たな取り組みをスタートさせている。交通安全の専門的な知識を有する「スクールガード・リーダー」を任用。市内71の小学校・義務教育学校の通学路上の危険箇所を抽出する点検作業を進めている。危険箇所は市ホームページに掲載している「通学路危険箇所マップ」にマッピングされ、見守り活動にも活用される。
また、市民による「見守りの目」を増やそうと、「ながら見守り活動」の普及に取り組んでいる。犬の散歩や自宅の花壇の清掃などを「しながら」登下校中の児童を見守る活動で、市教育委員会に登録すると「ながら見守り」の印として黄色いオリジナルのバンダナが貸与される。現時点で120人ほどが登録しているという。
このほかにも交通ルールを守らない大人が多いことや、危険な歩き方をしている児童に対し指導の仕方に不安があるといった声が多く上がっていた。
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