さがみはら中央区・緑区 社会
公開日:2026.11.09
全盲の中学生ボクサー 中谷選手と「挑戦」語る 進路考える同級生に授業
全盲の中学3年生、工藤聖真さん(中央区南橋本在住)が10月16日、小山中学校(中央区小山)でかつての同級生に向けて授業を行った。特別ゲストとして駆けつけたプロボクサー、中谷潤人選手と舞台に立ち、進路を考える時期にある生徒たちに、挑戦することや「可能性は無限大」というメッセージを伝えた。
工藤さんは生まれつき片目が見えず、もう片方の目も小山小学校在籍時にがんで視力を失った。現在は都内の視覚特別支援学校に通っている。アイマスクを付けた状態で鈴の音などを頼りに技を競う「ブラインドボクシング(R)」を小学5年で始め、全国大会で優勝したこともある。昨年は同校でミット打ちなどを披露し、共生社会をテーマに授業した。
中学3年になった今年、工藤さんは「同級生に最後にメッセージを伝えたい」と、授業の実施を思い立った。以前から交流のあった市内在住のプロボクサー、中谷選手も工藤さんの思いに賛同し、特別ゲストとして登場することになった。
「負け」から学ぶ
授業は、工藤さんが独学で習得したピアノの演奏とともに中谷選手が登場するところから始まり、2人のこれまでの挑戦や進路を考える上でのヒントが語られた。中谷選手は「うまくいかないこともあるが負けることほど学べることはない。皆さん一人一人が無限大の可能性を持っているのでそれを信じて突き進んで」とエールを送った。
工藤さんは「みんな勉強や友人関係で悩むこともあると思う」と中学生らしい悩みを共有した上で、「嫌なことを忘れるくらい夢中になれることを自分のペースで見つけられると良い」と語った。さらに、「友達や家族、近くにいてくれる人が大変なときはちょっと勇気を出して声をかけてみて」と、誰かと共に生きる上で重要なメッセージも伝えた。
2人は挑戦を続ける上で仲間や家族に感謝することについても言及した。授業を受けた生徒は「これからそれぞれの進路を歩んでいく中で、たくさんの人に助けを求めることになる。感謝の言葉を忘れずにいたい」と感想を話した。
フロアバレーに夢中
工藤さんはブラインドボクシング(R)に一区切りつけるという。現在通っている学校の高等部入学を志し、勉強に力を入れるためだ。将来は、「なんとなくですがシステムエンジニアになりたい」と話す。現在は視覚に障害のある人とない人が一緒にプレーできる「フロアバレーボール」に夢中になっており、高校入学後の大会出場へ意欲を見せる。夢やスポーツの目標に向かって新たな挑戦を始めている。
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