さがみはら中央区・緑区 文化
公開日:2026.10.13
相模原市緑区 上九沢祭典保存会 鳥取から山車を譲受 1年かけ改修 秋祭りで初披露
緑区上九沢では1982年の囃子連発足以来44年間にわたって、2トントラックに屋根を付けた「トラック山車」による巡行が行われてきた。地域の祭りを運営する「上九沢祭典保存会」内で本格的な山車を求める声が上がる中、昨年SNSで山車の引き取り手募集を発見。若手が中心となり、片道約10時間かけて鳥取県から山車を運んだ。1年がかりで改修し、10月3日・4日に行われた八坂神社の秋祭りでお披露目した。
SNSに掲載されていたのは、鳥取市の吉岡温泉で使われていた山車。少子化や人口減少により、祭り自体がなくなった後は鳥取県立美術館の開館セレモニーで使用されたというが、所有者の「祭りで使ってほしい」という思いから引き取り手を募っていた。投稿を見かけた同会の野崎陽平さんは「こんなチャンスは二度とないんじゃないか」と興奮を覚えたという。
片道10時間670kmの大移動
山車を所有するには費用や保管場所、維持管理などの負担もあり、慎重な意見もあったが、野崎さんら若手が所有する意義を熱心に訴え、引き取りが決定した。
昨年8月31日、同会の有志は670kmほど離れた鳥取県へ。車で片道約10時間かけ山車を持ち帰った。譲り受けた時点では屋根や土台、柵などの一部を残すのみだったため、1年間を費やし改修。柱や屋根などを新たに製作し、床の高さを変え、立ってお囃子を演奏できる構造に仕上げた。費用を抑えるため、時にはフリマアプリを活用して装飾品などを集めたという。改修作業は秋祭り当日の日中にまで及んだ。
団結のきっかけに
迎えた本番、野崎さんらは完成した山車をロープで引いて初披露した。多くの来場者から「立派な山車だ」という感激や「自分たちで作ったの?」という驚きの声が聞かれたほか、子どもの頃にお囃子をしていた若者からは「私もまたやりたい」という声が聞かれたという。
「山車をもらえるうれしさから勢いで始めたが、次第に責任やプレッシャーも感じるようになった」と野崎さん。「少子化や地域離れという逆風の中でも、山車が地域の団結力を高めるきっかけになれば」と意気込んでいる。
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