さがみはら緑区 人物風土記
公開日:2025.09.18
ロードレースの元世界チャンピオンで障害者がオートバイに乗れるよう支援している
青木 治親さん
緑区在住 49歳
「上手くいくかもじゃん」
○…オートバイに乗りたい障害者の夢を叶えようと、2019年に公益社団法人SSPを立ち上げた。「パラモトライダー」と呼ばれる障害者ライダーが箱根ターンパイクを走行するイベントを開催するため、8月22日からクラウドファンディングを始めた。「障害があるからといって諦める必要はない。周りの人が応援する気持ちも大事。輪を広げていきたい」。静かな語り口の中に確固たる信念を感じさせる。
○…ロードレースで名を馳せた「青木3兄弟」の三男。90年代に世界チャンピオンに君臨し、現在はオートレースで活躍している。事故で下半身不随となった兄・拓磨さんをオートバイに乗せたことがきっかけで活動を始めた。「どうせできない」「何で危ないことするの」という雰囲気を感じたが、常に優勝を目指すレーサーが折れるはずがない。「じゃあやってやんよ」
○…子どもの頃、父が買ってきたポケットバイクに駐車場で乗ったのが全ての始まり。週末は父に連れられ3兄弟で一日中バイクに乗った。「ずっとバイク」。兄弟の絆が強く、「拓磨がバイクに乗って楽しそうな顔を見たら嬉しいし、一緒にレースできるのも嬉しい。バイクを続けられる環境を作るのが兄弟の役目」。
○…年間200日はレース場におり、それ以外の時間はSSPの活動に捧げる。レース場に移動する道中に営業の予定を入れ込むこともある。「健常者がわざわざ隔たりを作っている。あれダメこれダメって言うけど、やってみたら上手くいくかもじゃん。可能性を遮断せず、みんなで解決する方法は絶対あるから」。忙しい日々の息抜きは「レース」。人生という名の道をバイクとともにひた走る。
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