圏央道開通 「3大動脈」が連結 渋滞緩和、観光振興に期待
首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の相模原愛川インターチェンジ(IC/厚木市上依知(かみえち))から高尾山IC(八王子市南浅川町(みなみあさかわまち))までの区間が6月28日に開通した。これにより、東名高速道路(東名)、中央自動車道(中央道)、関越自動車道(関越道)の「3大動脈」が都心を経由せずに連結することができ、渋滞緩和や観光振興などが期待される。
今回開通したのは同区間の14・8Km(4車線)=左図参照。工事中、想定よりも固い岩盤が確認されたため進ちょくに遅れが生じ、開通予定が当初の今年3月からずれ込んでいた。
大幅な時間短縮に
これまで町田市や神奈川県、東海方面から埼玉県や北関東方面、山梨県などへ向かう場合、東名高速から都心に入り、都心を経由して関越道や中央道に乗り継ぐというのが主流だった。そのため、都心に向かう必要のない車両も環状8号線や首都高速など都心部の幹線道路を利用するため、慢性的な渋滞が生じていた。中央道と東名を結ぶ国道16号線でも、地域に用事のない長距離移動の大型車などが集中し混雑が発生していた。
今回、関越道・中央道と東名が接続したことで一般道の渋滞緩和につながり、
また「一度都心に出る」といった移動の無駄がなくなることで、大幅な時間短縮が見込まれるようになった。圏央道を管理運営している中日本高速道路株式会社によれば、中央道の八王子ジャンクション(JCT)から東名海老名JCTまでの所要時間は整備前の約78分(八王子バイパス経由)から、整備後は約17分と、およそ1時間の短縮になるという。
また交通の利便性向上による観光振興にもつながるため、都外施設なども観光客の囲い込みにPRを強化している。関越道東松山ICに近い「国営武蔵丘陵森林公園」(埼玉県滑川町)では「7月中は自生のやまゆり約3000株が見ごろ。ぜひ圏央道を使って見に来て」と呼び掛けている。
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