日本全国で増加し、町田でも多くの姿が見られる外国人旅行者。その「インバウンド」を町田の経済の活性化に役立てようと町田商工会議所の企画事業委員会(市川稔委員長)は2月1日、「訪日外国人が町田をどう見ているか」「何が困るか」「どうして欲しいか」などを知るために、桜美林大学の外国人留学生7人との懇談会を開き、意見交換を行った。
留学生はマレーシア、ベトナム、タイ、カンボジア、アメリカ、中国からきた7人。3つのグループに分かれ、それぞれ委員会のメンバーと順番で交流した。
留学生の意見で多かったのは外国人に対する「情報発信力不足」。街を歩いていても、インターネットで検索しても英語や中国語、韓国語などの表記で情報を得られるものが少なく、日本語ばかりで分かりづらいし、興味もわかないという。
どんなに楽しいイベント、美味しい料理を用意しても情報が外国人旅行者に届かなければ、町田には来てくれない。身近なもので言えば、「飲食店のメニュー」。日本語のみの表記で、入りたくても入れない要因になっている。「特に個人商店のメニューが多いですね」と留学生。実際に中国やマレーシアではメニュー表に全ての料理の写真が載り、「文字の意味が分からなくても注文できる」とのこと。
また、アレルギー表示やハラール(イスラム法に基づいて合法な食材・調理)表示のある店がほぼ無いという指摘も。「いちいち確認するのも面倒なので、もともと表示のある都心の方へ出かける」という。「3〜5年日本にいる僕らでさえそうなのだから、旅行者ならなおさら」
留学生も町田の大学に通い、町田や周辺地域に住んでいながら、町田駅周辺にはあまり来ないという意見が多かった。理由は「町田に何があるか」「どんなイベントをやっているか」を知らないからだという。「平塚の七夕や立川の花火のように地域を代表するイベントだったら遠いところでも行く。僕たちはネットで何でも調べるが知らないことばかり。もっと周知してほしい」と手厳しい意見。翻訳ができるネットが便利だが無料でネットに繋げられるwi-fi環境が行き届いていないことも情報発信力不足だと指摘している。
市川委員長は「環境整備と適切な情報の発信が課題ですね。委員会の中だけで話していても分からなかったことが確認でき良かった」と述べ、懇談会のコーディネーターを務めた博報堂の小林洋志氏は「留学生が触れ合う場、直接話を聞ける場を作ったことが意義深い。外国人が何を望んでいるかを知り、もっと伝える努力をしていくことが重要だと分かった。今後も続けていきたい」と話した。
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