「若者を犯罪者にさせない」。町田警察署は7月19日、桜美林大学町田キャンパスで同大学の学生を対象にした特殊詐欺防止セミナーを開いた。巧妙化する特殊詐欺の手口で多くの被害が発生しているなか、犯人グループが大学の体育会系運動部員等の上下関係を利用して「受け子」を勧誘し、犯行に及んだ事例があったことから、大学生が犯罪に巻き込まれることを防ぐ目的で実施。同大の学祭実行委員や部活動体育会・文化会の学生約100人が参加した。
町田署管内で一向に減らない特殊詐欺被害。今年7月1日現在の被害件数は60件、被害額は約1億2250万円にのぼり、全国で最も被害の多い新宿区に次ぐ。詐欺の手口もオレオレ詐欺、架空請求詐欺、還付金詐欺など多岐にわたっている。
特殊詐欺の役割で、騙したお金を獲りに行く「受け子」と、騙し取ったキャッシュカードを使い、ATMでお金を引き出す「出し子」。それぞれ詐欺罪、窃盗罪と罪状は異なるが、どちらも10年以下の懲役がつく。昨年、全国で認知された受け子・出し子の割合は10代〜24歳までが70%以上だったことから、大学生への啓発を強化することを決めた。
同署生活安全課犯罪抑止対策本部の多田淳司警部補が講師となり、警視庁が犯人への調書から作った再現DVDを学生に見せながら、若者が陥りやすい犯罪の現状を訴えた。多田警部補は「高額なアルバイトがあると先輩や同級生から誘われて、犯罪に巻き込まれることが多い。お金を受け取るだけだとか、簡単な気持ちでやったことが人生を左右する。私は君たちを捕まえたくない。君たちのような若者が犯罪者にならないようにしっかり理解してほしい。もし誘われたらすぐに警察に相談を」と呼びかけた。セミナーに参加した陸上競技部の大野翔平さん(2年)は「初めて聞くことが多く驚いた。今日習ったことを部活でみんなにしっかり知らせたい」と話した。
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