国際アルツハイマー病協会が1994年に世界保健機構と共同で9月21日を「世界アルツハイマーデー」制定した。毎年この日を中心に9月を認知症の啓蒙月間としている。木曽地域を中心に認知症の人やその家族、支援者らが、認知症を象徴するオレンジ色のポスターなどで町を彩り、理解を深めてもらおうとするプロジェクトが発動している。
「町中にオレンジ色のポスターやオブジェを飾り、認知症を啓発するとともに、コロナで沈んでいる町を元気にしよう」と活動する「町田オレンジ色プロジェクト」。忠生第2高齢者支援センター・木曽あんしん相談室(木曽東)では毎週木曜日に認知症当事者やその家族、家族に当事者がいる人、地域で支える人たちが集まる「雀のお宿」を開催しており、同じ境遇の人たちによる交流が育まれる中、同プロジェクトが企画された。オレンジ色は認知症とともに生きる人を象徴する色で、9月21日には姫路城など全国の名所がオレンジ色にライトアップされる。
イベント中止で
例年、敬老の日の集いや認知症を啓発するイベント「RUN伴」が行われる9月。しかし新型コロナウイルス感染拡大防止のため様ざまなイベントの中止・延期や外出自粛を余儀なくされた。同相談室も5月中は閉鎖していたが、新型コロナの感染より、孤立による認知症の重度化が心配されたため、換気やソーシャルディスタンスを取るなどの感染防止対策をして、ひと月で再開した。同相談室の相談員、竹内三枝さんは日常の楽しみを奪われてしまった認知症の人たちや地域の高齢者たちを危惧。「コロナ禍でも何かできることはないか」と雀のお宿のメンバーたちと話し合い、この企画が決定した。
地域を巻き込む
近隣の福祉団体に働きかけると、皆すぐ賛同し、実行委員会が立ち上がった。それぞれでオレンジ色をベースにデザインしたポスターやオブジェを制作。9月30日(水)までそれぞれの店頭に飾ってもらう狙いだ。地元の商工会・木曽商工ネットも協力し、店頭や自宅に貼ってもらうよう事業所や自治会、企業、商店を回った。雀のお宿に集まったメンバーは庭に生い茂っている朝顔の弦を使い、リースづくりに励んだ。リボンやフェルトを巻き付けて飾られたオレンジ色のリース。「ポスターと一緒にお渡ししています。店頭で飾ってもらい、華やかにしてもらえれば嬉しい」とメンバーは話す。
ポスターは同相談室で配布。オレンジ色に飾られた店頭の写真を募集し、展示する企画も検討されている。問合せは【電話】042・794・7901竹内さん。
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