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公開日:2022.05.12

鶴川虚心亭
約20年ぶり、茶室に「息吹」
「文化遺産に」2年かけ整備

  • 離れの茶室を案内する上條さん縁側、茶庭も風情がある(下写真)

 菅原神社(本町田)の宮司を務める池田豊彦氏の父・豊氏が1972(昭和47)年に鶴川に創建した茶室「虚心亭(きょしんてい)」。豊氏の死後、長らく閉じられ荒れてしまっていた茶室が、このたび有志によりリニューアルされ、再び日本文化を発信する場としてオープンすることになった。

 町田市内や周辺地域のの神社の宮司を務める池田家。当主の豊氏は茶を敬愛しており、50年前に自身の持つ土地に茶室を創建。数々の茶会を開いてきた。虚心亭は母屋に8畳の広間二間と三畳台目の小間。離れに三畳台目中板の小間があり、それぞれに水屋と茶庭を備えた本格的茶室で、四季折々の風情が楽しめる貴重な文化財だ。しかし2000年に豊氏が亡くなると、引き継がれることなく荒れてしまっていたという。そんな中、姪の池田博子さん(83)が、このまま叔父の『志』を途絶えさせたくないと、茶室のある土地を購入。茶に精通するメンバーを集め、茶室の復活を応援する「白雲会」を立ち上げ2年前に整備を開始。畳の張替えや庭木の整備などを終え、このほどリニューアルオープンの運びとなった。代表を務める博子さんは「ここは心安らぐ場所。たくさんの人に楽しんでもらえたら嬉しい」と感慨深げ。白雲会の一人、鶴川在住の漆塗り職人・上條宗長さんは「個人所有でこんな場所は他にはない。様々な企画を催し、この茶室を維持・管理していくのが使命です。香山緑地や武相荘に並ぶ鶴川の文化遺産として広めていければ」と話す。

 オープン記念事業として5月22日(日)に石阪丈一市長や市立博物館の伊藤嘉章館長、町田茶道会の高野宗佳会長たちを招待し、茶席披露の茶会を催す予定だという。「それ以降は多くの方の憩いの場として提供していく予定です」と上條さん。

 虚心亭は今後、貸し茶室として月釡などの茶会や茶道教室、その他の文化教室、雛祭りなどの季節の企画イベント、貸しスペースとして利用される。上條さんは「撮影スポットとしても人気が出そう。多くの方に、こんなに素晴らしい場所があるんだということを知らせていきたい」と話す。

 問合せは白雲会・川島さん【携帯電話】090・6074・4981へ。

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