町田市は8月1日(月)から、市立町田第一中学校(風間茂校長)の武道場や交流ホール、音楽室などの特別教室の一般貸出を開始する。一般的な学校開放とは異なり、通常の公共施設として稼働。予約は生涯学習センター窓口のほか、市で初の取組となる、まちだ施設案内予約システムによる抽選申込が6月から実施されている。
老朽化した築55年の校舎棟を2018年3月から今年3月にかけて改築工事を行い、基本コンセプトを「地域と共に生涯にわたり協力し合い、共に成長していく身近な公共施設」として生まれ変わった町田一中。「学校と地域がつながる拠点に」と、今回始まる一般貸出として市民が利用できる特別教室は武道場、交流ホール、多目的室、音楽室、調理室、図書室。会議や講習、講演会や上映会、琴や三味線、歌や楽器演奏、ダンスや舞踊、調理など幅広く利用でき、すでに様々な団体、個人などから予約が入っているという。
それぞれ午前、午後、全日(土・日・祝日)、夜間(月・火)の利用料金が設定されている。町田第二地区協議会に所属する団体や同協議会に所属する小中学校のPTA、それに準じた活動を行う地域組織が利用する場合は使用料は免除される。
また、市立学校の図書室の個人利用は市内初。利用は土曜と第1・3・5日曜のみで無料。管理は民間事業者に委託する。「事業者と大学との連携で、現役の大学生に入ってもらい、学習支援を行うなどの交流も持たせたい」と同センター。書籍も中学生向けだけでなく、大人向けや子ども向けなど幅広く揃えていく予定だという。また、地域活性に向けたプロジェクトを年数回実施していくとしている。
安全確保に課題
一方、課題もある。特別教室は一般教室と廊下でつながっているため、校舎内に関係者以外が出入りしやすくなり、生徒の個人情報保護や安全確保が懸念される。消防法上、閉鎖できない場所があり、センサーを付けるなどして対応するも「飛び越えられたり、回り道されたら簡単に入れてしまう」と学校関係者は憂慮する。持ち去り防止のため図書室には3〜4人の人員を配置し、入退室管理システムを導入するなどのセキュリティ強化に取り組んでいる。
それでも、各教室を施錠して回るなど、これまで必要のなかった学校側の負担が増えることは必至。「校庭や体育館はある程度独立性があるが、生徒たちが学ぶ校舎内を幅広く使ってもらうのは課題が多い」と同校。さらに「武道場など、部活で生徒が使いたい場合に優先して教室を抑える必要があるが、直前になるまで大会等の予定が出ないこともあり、調整が難しい」との指摘も。同センターでは「この町田一中をモデルケースに、今後別の小・中学校でも行っていく予定。不便な点を洗い出し、より良い地域利用、施設貸出につなげたい」としている。
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