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公開日:2023.03.30

小倉担当大臣インタビュー
「まんなか」に 社会変える
こども家庭庁発足

  • 取材に応じる小倉大臣

  • インタビューの様子=3月9日、内閣府

縦割り打破 意見聞く

 政府の中のこども政策全体のリーダーとなる「こども家庭庁」が4月1日に発足するにあたり、小倉將信こども政策担当大臣に話を聞いた。「こどもまんなか社会」の実現をめざす小倉大臣は「こどもの声を拾い、社会全体を変えていきたい」と意気込みを述べた=3月9日取材。

めぐる状況悪化

 ―いよいよ「こども家庭庁」が発足となります。改めて発足の経緯と目的、役割をお聞かせください

 「昨年の出生数が初めて80万人を割り込むということが明らかになり少子化は我が国にとって深刻な事態になっている。一方、こどもの数は減っているがこどもをめぐる様々な問題、例えば児童虐待などは、実は過去最高を記録しており、こどもをめぐる状況はむしろ悪化してしまっている。そういった中でこれから『こどもまんなか社会』を実現するために、昨年立法し今年4月に発足をするのが『こども家庭庁』。総勢430人の組織で成育局と支援局という2つの局が設置される」

 「こども家庭庁の役割は大きく2つあり、1つはこども政策に関する縦割りの打破になる。こども政策に関係する省庁というのは今、厚労省、文科省を中心に多岐にわたる。そういった省庁の縦割りが存在して、例えば保育園、こども園、幼稚園とあり、それぞれ仕組みがバラバラで、施設側からしてみれば手続きが煩雑な結果、なかなかこどもと向き合うことができない。そのような話もあり、縦割りをなくしていくというのが1つの役割。もう1つがこどもや若者の意見をしっかりと受け止めて、政策を実現していく。これまではどちらかというと『霞が関の中の大人が中心』で、こうすればこどもが喜ぶだろうという考えのもとでやってきた。けれども本当のこどものニーズと我々が考えているニーズが、ズレていることもたくさんあるので、 これからはこどもや若者の目線で、本当にこどもの利益を第一に考えた政策を、こども家庭庁を中心にやっていく。これが2つ目の役割」

 「我が国のこどもや若者の自己肯定感は非常に低い。そのような中、彼らの意見を政策に反映させることで、成功体験を持ってもらえることになるのではないかと思う。まずは1万人のこどもや若者から意見を聞きたい。SNSを使ってこどもたちが意見を言いやすいような手段も考えていきたい。自分たちが意見を言ったら、しっかりそれが社会を変える。そういう風に思ってもらえるような社会にしたい」

子育てに優しく

 ―こども家庭庁は「こどもまんなか社会」を掲げています。その意味するところは何か、お聞かせください

 「子育てに関するアンケートを取ると6割以上の人が『この国は子育てに優しくない』という風に答えている。それがスウェーデンはわずか2%。98%の人が、自分たちの国は子育てに優しい社会だと思っている。こどもが熱を出して、 当日いきなり休もうとすると、上司に嫌な顔をされたり当事者たちが肩身の狭い思いをしているのが今の日本の社会だと思うので、みんなでこどもと子育てをしている当事者を応援していく状況を作っていきたい。総理も次元の異なる少子化対策ということで、それぞれのこども政策の中身や規模もさることながら 今の日本の社会意識を変えるような、こういう国民運動をしっかりと、自分が先頭に立ってやっていきたいとしている。そういう国民運動で社会意識を変えるような気運を醸成することによって、こどもまんなか社会を作っていきたい」

居場所必要

 ―こども家庭庁を作ることで最も解決したい課題は何ですか

 「いくつもあるが例えばいじめの問題。その件数は非常に高い水準になってしまっていて、 またいじめだけが原因ではないが、昨年のこどもの自殺者数は514人と過去最悪になってしまった。これまでは文科省、学校が中心となって、 いじめを解決しようという取り組みをしてきたが、こども家庭庁ができることによって、 やっぱり社会全体でいじめを予防し、解決をしていくような取り組みをしていきたい。不登校のこどもに対しても、学校に戻ることを最終目標とせずに、その社会にきちんと参加してもらえるような状況を作っていくことを目標としたい。どうしてもやっぱり学校に戻りづらいこどもたちもいるので、学校以外でもきちんとこどもの居場所を作っていく。そういう施策をしっかりやっていきたい」

政策の主体

 ―こども家庭庁ができることでこどもを取り巻く環境はどのように変化していきますか

 「私はこのこども家庭庁というのは、社会を変革する存在でなければいけないと考えている。これまでこどもはあくまでも保護する存在であって、意見を言う主体ではないと大人の世界では見なされてきたところもある。けれども、そうではなくて、 そのこどもというのは、政策の対象だけではなくて、まさに政策を作る主体。そのためにこどもや若者の意見を拾いたい。これまでの考え方を大きく変えられるような存在でありたいと思っている」

広場は…

 ―「広場がなくなってしまう」という問題についてはどうお考えですか

 「一般論として、私有地は地権者の財産なので、その使い道について、 制約を加えることは慎重であるべきじゃないかと考える。その上で、そもそもその私有地以外の公園など、現状こども中心に考えられているのかというと疑問が残る。ボール遊びができないとか大きな声を出すと注意されるとか。やっぱり考えるべきは、大人だけじゃなくて、その主体であるこどもの意見もきちんと聞く、そういうプロセスではないかなと思う。国レベルだけではなくて、自治体レベルでもこどもの意見をしっかりと聞いていくことによって、こどもが遊べる空間っていうのもどんどん増えていくんじゃないかと思う」

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