町田商工会議所
物価高騰に事業者支援
今月から　光熱費など補助

給付金の知らせを手にする商工会議所担当者

　町田商工会議所が今月、物価高騰対策として、市内中小企業の事業者らに向けた給付金の支給を始めた。直近の１年間に事業用で支払った水道光熱費や燃料費の合計額に応じて最大10万円の給付を行うもので、「手続きもより簡素化した。活用してもらいたい」と担当者は話している。

　同様の給付金は昨年に続き、２回目。今回は10月31日（火）の午後５時まで申請を受けつけ、書類などに不備がなければ、申請受付後、およそ１カ月後に給付金が指定の口座に振り込まれるという。

　今月１日に始まったこの給付金への申請は増えている。同商工会議所によると、９月５日時点での申請件数は５００件を超え、約５千の申請があった前回のスタート時よりも多いという。「昨年実施した際は周知期間が短かったこともあり、思うように申請数が伸びていかなかった。今回はより多くの事業者に知ってもらい、活用してもらいたいと思う」と担当者は話す。

全国的に倒産増

　この取り組みの背景にあるのが、全国的に広がる企業倒産の増加だ。会社の信用調査にあたる帝国データバンクによると、今年１月から６月の上半期における国内企業の倒産件数は前年同期比の31・６％増となる４００６件で、４千件を超えるのは５年ぶりという。業種別にみると、飲食店などの倒産が増加しているといい、物価高を受けての倒産は23年上半期で３７５件。22年通期の件数を既に上回っているという。

　同商工会議所担当者は「町田ではまだ倒産件数は増えていない。ただ、今後は物価高やコロナ対策としてあった融資の返済に行き詰まる中小企業は増えていくと考えられる。相談に乗っていきたい」と危機感を示す。そして、今月からは商工会議所の会員企業を１件１件訪問し、状況のヒアリングなどをしていく予定とし、「町田駅周辺の路面店に空きがみられるようになっている。以前では考えられなかったこと。市内を活性化させ、食い止めていければ」とする。

ＨＰなどから

　この物価高騰対策の町田市物価高騰対策事業者給付金への申請は専用のホームページから申し込むか、書類を一式そろえたうえで郵送のいずれかで、その他、条件などについては同商工会議所が設置した給付金の事務局（原町田）【電話】０４２・７３９・３００８まで。