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公開日:2023.11.30

小山田大龍地区
ふるさと活性化に着手
資源見直し、「まず住民間から」

  • 活動を知らせる「お知らせ」を手にする大貫さん(右)ら

 下小山田町の一部などが含まれる小山田大龍地区で地域活性化の取り組みが始まっている。緑豊かな里山の風景を残しながら、活気を生み出していくことを念頭に地域住民らが本格的に動き出して12月で1年。地区の魅力を高め、「住み続けたい」と思える街にしていきたい考えという。

 小山田大龍地区の大半は自然環境保護などのため、開発行為に規制の入る市街化調整区域。緑地や谷戸に囲まれ、およそ160世帯が暮らす。

 同地区に住む大貫一夫さんらが地域の活性化を目指すようになったのは、過疎化への懸念だった。調整区域のため、商業ビルやコンビニなどが建たず、道路の整備も進んでいないなど、利便性が高いとは言えない地域であることから、現在のままでは将来、人が寄り付かない地区になるのではないかと危機感をもっているのだという。

 大貫一夫さんは「この地区に多摩モノレールが開通する話があり、活性化につながると期待していたが、立ち消えになった。それであれば、自分たちの手で盛り上げるしかないと考えた」と振り返る。

昨年12月から

 活性化への取り組みは始まっている。昨年12月に住民間で住み続けられる街づくりについて検討していくことを確認すると、活性化に関する議論を重ね、10月には地区内をメンバーで歩き、街の魅力づくりにつながる資源を確かめた。

 「来月には新たな街づくりの計画を示すたたき台を作成する予定。地区内神社の祭り情報などを載せた『お知らせ』を各世帯に配布するようになった」と大貫さん。来春には街づくりのビジョンを確定させ、具体的な取り組みを進めていく予定という。

神社、病院活用

 開発行為に規制の入る調整区域で活性化をどう図っていくのか。

 大貫さんらが考えるのは地区内の緑、神社、病院などの活用。それらを資源ととらえ、活性化を図っていきたいとする。「その前にまずは住民間の交流を深めていきたい。大龍地区のおよそ3分の1は移り住んできた新住民。一緒に地区を盛りあげてもらえるようつながりを深めていければ。その交流が地区外にも広がっていくことが街の活性化にもつながると考えている」と大貫さん。取り組みに協力する町田市の担当者は「好事例として他のエリアでも参考にできる街づくりになれば。私たちが広報を担当し活動を周知していきたい」としている。

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