現在放送中のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」。北条義時を主人公に源頼朝の死後、武士たちの間で繰り広げられる権力抗争を描いている。元横山町にある横山神社(八幡八雲神社境内)は、その13人の武士の一人と深い関わりがあるという。
同神社の創建は1214年。平安時代末期から室町時代初期に分布していた武士団で武蔵七党のひとつ「横山党」の始祖、さらに横山姓の始まりと言われる人物「横山義孝」(小野義孝)を祭る。
創建のきっかけは、1213年「和田義盛の乱」。横山党が和田側に荷担し、一族合戦に及んだが討ち死にしたことによる。和田義盛とは、ドラマ作中「13人」の武士の一人。横田栄司さんが演じ、第1話から出演している。
同神社に設置される「横山神社由緒略記」によると、義孝の子孫、横山散位権守時重(さんごみんのかみときしげ)の娘は、鎌倉幕府の初代侍所別当、和田義盛の妻。「横山一族の男たちは、義を貫き、勇をもって世の中が平和になるよう鎌倉幕府創業に尽力しました」とあり、縁が深いことが記されている。
さらに、「頼朝の死後、和田一族に対する北条の陰謀に、横山右馬介太郎(うまのすけたろう)時兼(ときかね)は義憤を感じ、建暦3(1213)年5月3日、『和田義盛の乱』に荷担し、…」とある。
八幡八雲神社の柚井正道宮司は「天下を取った北条から見れば、和田義盛の『乱』という記述になる。横山党は義憤に駆られてとあるので、強い正義感があったのでしょう」と話す。
役員が由緒調べ
この由緒略記は、同神社の役員だった故大久保岳昭さんと柚井宮司が調べて設置したもの。大久保さんが横山神社の由緒に興味を持ち、数年かけて調査した。和田一族を埋葬した鎌倉の和田塚にも訪れていたという。
現在、「和田義盛の乱」の翌日となる5月4日、横山神社では例祭が執り行われている。これは20年ほど前、大久保さんの提案により始まった。柚井宮司は「当時、横山神社は例祭が行われていなかった。せっかくだからやろうと」と振り返る。「ドラマで横山党が出てくるか分からないけど、大河をきっかけに横山神社に興味を持ってもらえたら」と話した。
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