｢必笑｣な職場、成果呼ぶ

　○…２月20日付で新リーダーに就いた。山梨県生まれで「絹の生産地など歴史深い印象が強い」と八王子のイメージを話す。もっとも隣の県なので学生時代に何度か訪れたことがあり、新署長としての思いも強い。着任のあいさつでは市民に対しては「優しく」、治安を乱す者に対しては「強く」接していく決意を表明した。

　○…「西部警察」や「太陽にほえろ！」などに出てくるアツい刑事たち。その「弱きを助け 悪をくじく」姿に憧れた。実際の業務は多岐にわたり、絶滅の恐れがあるコツメカワウソの密輸などを取り締まる、通称「警視庁いきもの係」や幹部研修などを行う警察大学校の主任教授などを経験。幼児期の孫がおり、今年度の小１男児のなりたい職業が警察官だと知ったときは「やっぱりうれしい。見本にならないと」と背筋を伸ばす。

　○…全国的な火急事案でもあるが、昨年から高齢者などの家に押し入る強盗事件が後を絶たない。グループで犯行におよぶ例が多く、「市内でも不安が広がっている」と懸念する。加担する側に対しても「重大事件につながる可能性のある『闇バイト』には絶対に関わってはダメ」と一喝。着任以降、被害者への啓発だけでなく、加害側への注意喚起にも特に力を入れている。

　○…趣味のツーリングは、緊急時に備えてしばらくお休み。再開したら、妻をタンデムシートに乗せて日本各地をめぐるのが密かな楽しみだ。好きな言葉は「必笑」。ピンチのときこそ笑顔を絶やさない--。そんな高校球児たちの姿を見て、柔和な雰囲気がいい結果を呼び込むと考える。「前向きな姿勢でいれば、必ずチャンスはめぐってくる」。チーム一丸となり、八王子をさらに盛り立てていく。