４月の八王子市議会議員選挙の啓発ポスターをめぐり、「男女共同参画の推進に逆行する」という苦情の申し出があったことに対し、その判断はできないとの見解が出された。６月１日、学識経験者や弁護士らで構成する第三者委員会にあたる第２回苦情処理委員会で意見がまとめられた。

　市選挙管理委員会が作成したポスターには、八王子のご当地アイドルユニット「はちぷり」こと「エイトプリンセス」を起用。２人が「てか、選挙行くっしょ？」と呼びかけるキャッチコピーと写真を中心にしたデザインで、街中や駅通路に貼られていた。２０２０年の市長選挙に続き、２人は市議選のイメージキャラクターとして啓発活動を担っていた。

　このポスターに対し、井上睦子さんら元市議の女性４人が、４月施行の市男女共同参画推進条例の趣旨に反すると指摘。「女性アイドルを単なるアイキャッチとして利用している」などの理由からポスターの撤収を求める苦情を４月３日、市に申し出ていた。

　５月17日の第１回委員会で、苦情申出者と市選管による説明、委員との質疑応答を実施。ポスター起用の２人に対し、第２回委員会で「一般の人々に訴えうる個人的な能力、容姿や印象を持つタレントとして登場したと考えるのが妥当」と判断。「ポーズや服装など一般的に性的な対象であることを喚起させるような特徴が明らかだとは言えない」とし、撤去の必要はないと結論づけた。

　一方、選挙管理委員会に女性がいないことは男女共同参画推進の観点から問題だと指摘。男女比をなるべく近づけるよう要望するとしている。