シリウス1周年記念式典で墨絵パフォーマンスを披露した 渡邊 ちょんとさん 市内福田在住
異色の経歴が「和」に
○…シリウスの1周年を祝う一対の墨絵。観衆が息を呑んで見つめる中、大きく「大」「和」を最初に描き、四君子(しくんし)(蘭・竹・菊・梅)と躍動する人々を表現した。「地元の大和でパフォーマンスをするのは初めてだったので嬉しかった。観客には背を向けた形なので緊張しませんでした」と安堵の表情を浮かべる。
○…ぼかしやにじみなど墨の特性を生かし、ダイナミックさと繊細さを兼ね備えた作風が高い評価を受けている。パフォーマンス依頼は、神社からスマホゲーム「モンスターストライク」の大型イベントまで幅広い。
○…水墨画家になるまでには異色の経歴を辿っている。生まれも育ちも大和。幼い頃から音楽好きで、中学から大学まで吹奏楽部でクラリネットを吹いていた。大和高校卒業後、岩手大学で獣医学を修了し、順天堂大医学部衛生学教室で助手として微量元素を扱う研究に没頭した。その後一念発起し、画業に転身。しかし、それまでは漫画やイラストなどを趣味の範囲で楽しむ程度。経験が乏しく、表現の幅が狭いことに悩んでいたとき、本屋で見つけたのが水墨画の本だった。その本の著者・小林東雲氏に弟子入りし「兎の登り坂」に。獣医学で学んだ骨格の知識が動物を描く際に役立ち、音楽を通じた人脈によって音楽コラボが実現していることなど、画業以外に培った経験や人の縁の「和」が仕事の骨格となっている。
○…今後は、1年間にわたり新聞連載小説の挿絵を担当するほか、モスクワで初の海外パフォーマンスが控える。「モスクワでは水墨画が注目されているので、どのような反応かとても楽しみ」。新たな芸術の可能性を、和の力で大和から世界に発信していく。
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