再結成20周年を迎えた「草柳スカイジュニア」で監督を務める
下田秀夫さん
上草柳在住　71歳

熱き想い、コートで

　○…体育館に入ると、コートの横から温かい眼差しで選手を見守る姿があった。市内の小学生が中心となって活動するバレーボールチーム「草柳スカイジュニア」を監督として牽引し続けている。「あっという間の20年でした。全国大会に連れて行ってもらったのは良い思い出」。教え子は１５０人を超えた。競技人口の減少を受け止めつつ、選手への指導は惜しまない。県大会出場を目標に、指導に打ち込む日々を送る。

　○…初めて草柳スカイジュニアに携わったのは約40年前。近隣住民からの誘いでコーチに就任した。一度は解散したものの、県小学生バレーボール連盟の役員として子どもたちのプレーを見ている内に「もう一度指導をしたい」と熱望し、再結成を決意。「今の子たちはどんな感じなんだろうと手探りの状態で始めました」と振り返った。

　○…上草柳で生まれ育った大和っ子。草柳小学校に通っていた当時は「引地川や山の中、田んぼを走り回っていた」と、わんぱくな少年時代を過ごした。光丘中学校では持ち前の身体能力を生かし、バレー部へ。顧問が不在の時でも自主的に練習に励むほど熱中した。「好きこそものの上手なれっていうのかな。とにかく楽しくて」。勝利を喜び合える仲間にも恵まれ、キャプテンとして臨んだ最後の大会では県３位の成績を収めた。

　○…高校卒業後に就職した自動車会社で妻に出会い、２人の娘に恵まれた。「妻もバリバリのバレー選手でした」と、監督業への理解も心強い。娘たちが小学生の時には恒例行事だった、家族４人でのスキーも一昨年から再開。今では新しい家族が増え、当時とは顔ぶれも変わった。「孫の顔を見るのが楽しみでね」と語る表情には、家族への愛が溢れていた。