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大和 コラム

公開日:2026.08.07

徒然想 連載341 花のお寺 常泉寺 住職・青蔭文雄

  • 徒然想 連載341 (写真1)

 今月は、女人なにのとがかある、男子(なんし)、なにの徳かある。悪人は男子も悪人なるあり、善人は女人も善人なるあり。聞法(もんぼう)をねがい出離(しゅつり)をもとむること、かならず男子女人によらず、です。

 出典は、鎌倉、道元著『正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)』礼拝得髄(らいはいとくずい)。

 意は、女性にどんな欠点があるというのか、男性だからと言ってどんな美徳があるというのか。先に悪人と言われる人にも男性はいるし、善人と言われる人のなかには女性もいる。仏の教えを聞きたいと願い、迷いの世界から離脱したいと思う点では、男性とか女性とかの区別は、全く取るに足らない、ということです。

 仏の教えの真髄を体得するうえで、性別や身分年齢の差など全く問題にならないと、師は説く。

 これは道元の教えの大前提で、男女区別なく広く全ての人に向けたものです。

 しかし、この時代の仏教の大勢は、男尊女卑でした。貴族や武士の特権を擁護し、諸先輩の前に身を屈した。中世社会を支配していたこのような仏教ならざる仏教の姿に道元が抗議した文言が冒頭です。

 この時代にあって、道元の説かれた教えは、極めて急進的な男女平等論であった。

桃蹊庵主 合掌

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