社会医療法人ジャパンメディカルアライアンス(JMA)が運営する「海老名総合病院」(服部智任病院長)が、4月1日から「救命救急センター」を開設する。県内で同センターが無かったのは県央エリア(海老名・綾瀬・座間・大和・厚木・愛川・清川)のみで、さらなる救急医療体制の充実が期待される。
三次救急医療機関に位置付けられている「救命救急センター」は、入院治療を必要とする重症救急患者を受け入れる”二次救急医療”では対応できない、複数の診療科領域にわたる重篤な救急患者を扱う高度な医療を総合的に提供することができる。これまで県央地区の受け入れは、近隣の北里大学病院や東海大学病院などが役割を担ってきた。
1983年に開院した海老名総合病院は、二次救急医療機関として地域医療の中核を担ってきた。昨年の救急出動件数のうち市内の80%を、座間・綾瀬では40%を同病院から出動し、約8千台の救急車を受け入れた。この内、重篤患者数は968件となっている。
「断らない救急」目指す
同病院では、高齢化を背景に救急出動件数が年々増加してきたことなどを理由に、2015年から救命救急センターの開設準備を開始。救急専用の病棟20床を整備したほか、MRIの増設やセンター専属医師と救急救命士の増員を図った。
センター設置について、3月22日に行われた県医療審議会の協議で、整備することを承認。現在は4月1日付の指定に向け、調整が進められている。
同病院ではセンターの開設により、年間1万台の救急車の受け入れを行うことで、コンセプトとする「断らない救急医療」を実現していく方針だという。
JMAグループの広報部は「地域の需要に応え、社会医療法人としての責務を果たしていく。また、患者様からの『どこに相談すればいいのか』という声をなくすべく、今後は相談窓口を設け、必要なサービスがスムーズに提供できるようにしていきたい」と話す。
同法人は、昨年に座間総合病院を開院したほか、市内で特別養護老人ホーム、介護養護保健施設、診療所・クリニック、保育園などを運営している。
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