開会中の綾瀬市議会(古市正議長)の経済建設常任委員会(笠間功治委員長ほか6人)がこのほど、同市が2027年度の開業をめざす「道の駅」の早期整備を求める陳情を審査し、継続審査とした。12月15日の定例会本会議にこの審査結果が報告される。
「道の駅」27年度開業に暗雲
綾瀬市の道の駅整備事業は、綾瀬スマートインターチェンジの開通にあわせた地域活性化の拠点施設として、市が建設用地の取得に向けた準備を進めている。計画の当初は2022年春の開業をめどとしていたが、建設用地とした市役所北側の農地に建設資材などの埋設物問題が浮上。今年1月に建設予定地を市役所南側の農地に変更した。
この用地取得に向けた予算を含む23年度当初予算案を審議した市議会は今年3月、【1】議会への事前の十分な説明【2】生産者や事業者、関係団体などとの十分な議論を重ねて必要な規模や施設を決めること【3】施設周辺の交通安全対策を行うこと―を市に求める附帯決議を全会一致で採択した。
それから半年以上が経過しても施設の規模や事業費など基本的な計画案が示されないなか、今年11月に同市の農家約30戸でつくる綾瀬市園芸協会(田中浩一会長)が「道の駅の早期整備」を求める陳情を市議会に提出した。陳情書には、「農業者にとっての新たな販路拡大や高収益化が見込まれるなど、将来の農業がさらなる発展をする契機となる」と、早期整備への期待が込められた。
今月1日に陳情を審査した市議会経済建設常任委員会では、「不了承」(越川好昭氏)と「趣旨了承」(安藤多惠子氏)で賛否の意見が分かれたほか、武藤俊宏氏(志政あやせ)と天笠哲史氏(公明党)は「継続審査」を主張した。
不了承と継続審査を求める委員からは附帯決議を受けた後の市の対応に不満が噴出。趣旨了承とした委員からは、陳情を契機とした協議の進展に期待し陳情者の熱意に応える立場が示された。
審査を傍聴する農業者から「民意にもっと向き合え」などとする怒号(不規則発言)が飛び交うなかで行われた採決を経て、賛成多数で継続審査が決まった。
傍聴後、取材に応じた綾瀬市園芸協会の内藤昭宏副会長は、「昨年11月に青果市場が廃業するなど販路縮小に危機感がある。肥料代も倍々に高騰する中、道の駅に少しでもすがりたい気持ちがある。そんな思いすら通らずに腹立たしい。継続審査は議会の都合でしかない」と話していた。
この日の委員会では、傍聴取材のために許可を求めた録音と撮影が認められなかった。
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