海老名・座間・綾瀬 人物風土記
公開日:2026.06.05
洋ラン栽培での功績が認められ、「令和8年春の褒章」で黄綬褒章を受章した 加藤 春幸さん 座間市栗原在住 46歳
座間の誇り 花開く
○…洋ランの品評会で日本一になった回数は14回。品種改良や新たな栽培技術の開発など、長年、業界の先頭を走り続けた功績が認められ、黄綬褒章を受章した。「両親やスタッフ、地域の方々の支えがあったからこそ」と謙虚に喜びを語る。近年、資材高騰や異常気象で、生産者を取り巻く環境は混迷を極めているという。「国からの農業全体へのエールだと受け止めた。まだまだ頑張らねば」と前を向く。
○…座間市栗原の生まれ。洋ラン農家の両親のもとで育った。子どものころは家業を継ぐ気はなかったという。転機は高校3年生になる直前の春休み。ランの品種改良で世界を驚かせた生産者の人物記を読み、「自分も新しいものを生み出したい」と進路を変更。当時通っていた付属高校の内部進学をやめ、東京農業大学に進んだ。
○…13年ほど前に参加した沖縄での大会。他の参加者から「座間って沖縄ですか」と聞かれたことが悔しかった。ランで座間を広めたいと考える中、生まれた渾身の新品種。「スピリット・オブ・ザマ」と名付け、世界大会で優勝した。花を飾っていると、高齢女性が「テレビで座間の明るい話が出て嬉しかった」と涙を流して喜んでくれた。「自分の仕事が地域の方の誇りになると気付けた。地元のために頑張ろうと意識が変わった」
○…毎朝7時半には温室に立ち、色つやなどを確かめ、「暑くないか、寒くないか」と花と会話する。年間を通じて花と向き合う日々が続くが、「好きなことを仕事にできて幸せ」と笑みを浮かべる。来年、横浜で開かれる国際園芸博覧会にも出展予定。「周りは大企業ばかりで私が一番の零細農家。だからこそ、世界を驚かせるような展示がしたい」。洋ラン職人の挑戦はまだまだ続く。
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