リニア中央新幹線開通工事の際に地下水が漏出する可能性等について市が6月にJRに質問書を送付した問題で、JR東海は7月18日、市に口頭で回答した。これを受け今月21日、学識経験者らによる「市地下水採取審査委員会」が開かれ、「返答内容は不十分」として遠藤三紀夫市長への再建議に踏み切った。
市は質問書で、JRが公開した「環境影響評価書」の内容について触れた。前提となる解析条件の精度を高めるとともに、座間市を含む広域での解析や、工事中に地下水の漏出があった際の具体的な対策を示すよう求めていた。
これに対しJR側は、工事については適切な工法を採用し遮水にも万全を期していることなどを挙げ、現状以上の解析を行う必要はない旨を市に伝えたという。
加えて、市が提案していた、深層での駅舎・トンネル設置についても「浅い位置に設置することで乗り継ぎ利便性が高まる他、掘削する土の量も少なくなる」として、検討しない考えを示している。
これらの返答を受け、市は8月21日、学識経験者からなる「座間市地下水採取審査委員会」(守田優委員長)を開催。「満足できる回答ではない」との結論で一致し、再度「意見書」等の形でJR側に意志を伝える方針となった。
この結論は遠藤市長に建議され、検討後に市長名の意見書が提出される見通し。自治体とJRが一体となって議論・検討する「対策検討委員会」の設立提案も盛り込まれると見られる。
座間市は市内6カ所での観測井戸においてモニタリングを続けるほか、相模原市からデータ提供を受けて上流の地下水位を監視するという。
市「JRの対応、満足できない」
市が同社社長宛てに提出し文書での回答を求めたにもかかわらず、JRが口頭での回答に留めたことや担当部長からの返答となったことに対し、市は「満足できるものではない」とコメント。市は7月29日に書面で、JRにその旨を伝えている。
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