農学部の学生と、動物の世話を通した児童との体験イベントを企画する 土田 あさみさん 東京農業大学准教授 54歳
「世話は信頼の原点です」
○…東京農業大学厚木キャンパスで12月8日、市内の小学生を対象に馬や犬、ウサギの体の手入れやエサやりなどの触れ合いイベントを行う。来年2月から6月までは毎月第3土曜日に開催するため、研究室の学生有志と準備に奔走中。世話を通じて自分とは違う感じ方をする動物たちの真の姿を知って命と向き合ってもらうことが目的だ。「信頼関係を築くのがお世話。決まった時間に決まったことをするのはしつけの基本。動物の仕草にも気づいてあげることが大切」と話す。
○…東京農業大学で2006年にバイオセラピー学科が設立された当初から勤務している。動物は「興味の尽きない対象。脊椎動物であれば何でも好き。自分が生きているということを改めて感じさせてくれる存在」だという。学生には「生き物に支えられて人間がいる。飼育しながら観察眼を養い、バランス感覚を磨いて」と指導している。
○…一人暮らしの学生時代に飼っていた猫を実家の家を建て直すまでの間、一時長屋で放し飼いにしたときの生き生きとした姿が忘れられないという。このとき「人が家の中で動物を飼うのはどうなのかな」と思ったそうだ。「動物を人の世界に囲うのは束縛すること。重いことなのではないだろうか」と仕事中ふと頭をよぎることがあるそう。「ひょっとしたら自由に羽ばたいていくことが動物にとっては幸せなのかもね…」と複雑な表情も見せる。
○…京都生まれ。幼少時代は、鴨川で川遊びやザリガニ取りに夢中。とにかく生き物が大好きだったという。日本獣医畜産(現日本獣医生命科学)大学獣医学科を卒業後、ワクチンメーカー(株)微生物化学研究所に6年半勤務した。結婚を機に退職後、学位を取得し非常勤講師を経て東京に。自宅から約2時間の電車通勤で文献を読むことが一番の気分転換。家事は夫と分担。忙しくても「今の状態を楽しむ」のが信条だ。4人家族。東京都小平市在住。
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