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厚木・愛川・清川 人物風土記

公開日:2024.06.30

県央音楽家協会の会長として各地でコンサートを定期開催している
鈴木 マチ子さん
座間市相模が丘在住 63歳

県央にまく 音楽のたね

 ○…60人の仲間たちは県央ゆかりのプロ演奏家で、生徒をとって教える先生も多い。そうそうたる顔ぶれが、代わるがわる演奏するコンサートが人気だ。「会長といっても会場であいさつする程度ですよ」と肩を小さくした。むしろ奏者のひとりとして、異質なジャンルの仲間と化学反応を起こすのが楽しみ。作曲家の仲間もいるから、観客も常に新しい音楽に出会える。

 ○…仕事は都内や横浜がほとんどで、県央はコンサートが少ない。「それでも音楽のニーズは眠っているはず」と目を開いた。海老名市文化会館のように「響きが格別」という会場もある。大勢で力を合わせれば企画も立てやすい。「10回の練習より1回の本番。若手が舞台に立つ機会を増やしたい」と力をこめる。高校生や中学生が入りやすいよう、チケットも格安にした。

 ○…両親は声楽家で3歳からピアノの英才教育を受けて育った。音を聞き取って楽譜に記したり、ドイツ語の「ツェー・デー・エー(ドレミ)」を覚え、おやすみなさいは「ブオーナノッテ(イタリア語)」。中学生の頃に「もっと自分が楽しむために演奏したい」とバンド活動を始め、キーボードでロックやフュージョン、即興演奏など、青春を謳(おう)歌した。

 ○…東京芸術大を卒業後、声楽のプロとして歩んできたが順風続きではなかった。東日本大震災の後には公演が激減。コロナ禍では異業種の仕事もこなし「音楽以外がまったくできないと痛感した」と、今では笑いの種に。楽器としての身体を保つため、毎晩50分歩く。歩いているとつい街角の小さなステージが目に入り「いいな」と立ち止まる。音楽の芽生えを思い浮かべて。県央に開拓の余地は沢山ある。

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