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公開日:2025.11.28

厚木市
郷土絵師の作品を公開
29・30日 市内2寺院で

 厚木市は11月29日(土)・30日(日)に、本禅寺(飯山3515)と本照寺(下古沢133)の2か所で、市内の貴重な文化財を公開し、市民の郷土愛と文化財への愛護意識向上を図る「あつぎの文化財一般公開」を開催する。午前10時から午後3時まで。

 同事業は2005年から始まり、コロナ禍の時期以外、継続して行われている。今年のテーマは「小鮎の古刹をたずねて」とし、近世期に活躍した厚木市荻野出身の絵師が残した作品に焦点を当てる。

天井絵と仏涅槃図

 本禅寺では、上荻野出身の絵師、井上五川(いのうえ・ごせん)が描いた天井絵100枚を公開する。井上五川は幕末から明治を生きた絵師で、本名・井上定八、画号は5つの川にちなんで命名されたともいわれる。極彩色の天井絵には、五川が得意とした龍図に加え、花鳥植物などが生き生きと描かれており、見どころである。また、本禅寺の本堂は寛永18年(1641年)の建立当時の姿をよく残し、県の重要文化財に指定されている。

 本照寺では、下荻野出身の絵師、難波洞雪(なんば・とうせつ)が筆をとった仏涅槃図(ぶつねはんず)が公開される。仏涅槃図は、釈迦が入滅したとされる日に行う仏教行事(涅槃会)で、信者への説話の際に用いられる図のこと。また、県指定重要文化財である鰐口(わにぐち)も公開される。この鰐口は、銘文から永禄9年(1566年)に荻野の鋳工が活動していたことを示す初見資料であり、戦国時代のただなかを越えて現在まで伝えられている。

 両寺では、29日に日本美術史の専門家による「文化財トーク」が行われるほか、本禅寺では公開に合わせて天井絵のシール配布(300枚限定)、本照寺では写経やマインドフルネスの体験会も予定されている。

 問合せは市文化魅力創造課【電話】046・225・2060へ。

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