EV普及へインフラ整備着々 メイドイン神奈川の日産リーフ 県の「EVシェアリング事業」でいち早く体験も
昨年12月に一般発売され、神奈川県庁に納入された「日産リーフ」。EV(電気自動車)の普及に力を入れる県では、気軽にEVを体験できる機会を提供するため「EVシェアリング事業」を実施している。横須賀市内では今月から、県合同庁舎で導入された日産リーフを、業務に使用していない金〜月と祝日にレンタカーとして貸出を始めた。これに関連し、市内のインフラ整備も進んでいる。
このほど導入された「日産リーフ」は、開発から製造・組み立てまで全て県内の日産事業所・工場で行われる「メイドイン神奈川」の電気自動車。市内の追浜工場は組み立てを担う生産拠点となっている。リーフは1回8時間の普通充電で約160〜180Km走り、走行中の排出ガスはゼロ。CO2はもちろん、窒素酸化物も一切出さない「ゼロ・エミッション車」だ。
県が平成21年度から進めている「EVシェアリング事業」は、業務に使用しない土日祝日(一部平日)に、レンタカーとして貸し出しを行うもの。乗り心地を体験できる機会を提供し、県民へのEVの普及啓発を図るのが狙い。今回、県に納入された10台のうち4台を日産レンタカーの協力でシェアリング(共同使用)している。
市内での貸出場所となった日産レンタカー横須賀中央店では、原則として金〜月曜日と祝日に1台を貸出。料金は6時間まで8925円。以降12時間まで・24時間まで設定されている。利用方法は、日産レンタカー横浜みなとみらい店に電話予約する仕組み。貸出は先週末に始まったばかりだが、「乗り心地を試してみたい」と、予約も少しずつ増えているそうだ。
充電設備の普及が急務
気になるのが充電器の設置場所と普及状況。市内で現在、一般利用できるのは、ガソリンスタンドの「セルフDr.Drive平成町SS」「セルフステーションあわた」、横須賀PAや電気自動車販売店など。さらに先月、カー用品店の「タイヤ館横須賀店」(大矢部2-9-16)に普通充電スタンドが取り付けられた。「環境対策の取り組みとして、EV普及に力を入れている神奈川県内で全国に先駆けて設置した。店舗サービスの一環として活用してもらえれば」と同社広報。こうした企業独自の取り組みも進んでいる。
公共施設にも「充電スポット」
横須賀市では、電気自動車の普及促進事業として今年度は8000万円を計上。3月末までに、横須賀美術館やソレイユの丘など市内11ヵ所の公共施設に充電器が設置される。さらに、民間事業者への助成も行っており、今年度中には市内の商業施設などに設置される見込み。
一方、事業用としてEVを導入する企業や個人への導入補助金制度も設けるほか、市で購入したEV車10台をタクシーとして利用できるよう、市内の業者と調整を行っている段階だという。市では、導入支援とインフラ整備の両輪で普及促進を図っていく構えだ。
また、県では観光振興とEV普及を絡めた「箱根EVタウンプロジェクト」を開始している。これに倣い、横須賀市でもEVを用いた観光振興なども検討段階にあがっているという。今後、EVを基軸にした地域振興も期待できそうだ。
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