横須賀版 掲載号:2015年1月1日号
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三浦半島産 「七草パック」市場を席巻 300人体制で出荷

経済

「いちばん良い状態で出荷するため、試行錯誤です」と岩崎さん(岩崎ファーム/津久井)
「いちばん良い状態で出荷するため、試行錯誤です」と岩崎さん(岩崎ファーム/津久井)

 せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ――。春の七草、全て言えますか…?  1月7日の朝、この7種の”若菜”を混ぜた「七草粥」を食べる風習。昨今では、七草をパック詰めし、手軽に料理できるようになっている。実は、その多くを占めるのが三浦半島産なのだ。

 早いところでは、年末の最終週あたりからスーパーなどに並ぶ「七草パック」。横須賀・三浦にある5つの農家では「三浦七草会」を結成、平成元年から市販を始めている。当初の出荷は5万パック。それから20年余り―。この正月の出荷数は約130万パックに上る見込みだ。

 全国に先駆けて「七草パック」を手掛けた横浜の生産者グループからの紹介をきっかけに始めたものだが、そのシェアは年を追うごとに拡大。今では、一大産地となっている。首都圏・関東以北を中心に、青森や新潟の市場からも直接注文を受けるほか、スーパー・量販店から大口の注文がある。1パックの相場は398円から。パッケージにはもちろん「神奈川」「三浦七草会」の文字だ。各農園で独自に顔写真を入れるなど、産地のPRに努める。

準備は9月から

 作業は意外と煩雑。七草を揃えてパックに詰めるだけ―ではないのだ。

 「七草は鮮度が命。いちばん良い状態で料理できるように、念入りな準備が必要なんですよ」。三浦七草会の代表・岩崎重夫さんは話す。同会の5つの農園では、それぞれ9月頃から七草用に栽培を始める。津久井から長井・三浦にかけて広がる緑色の”絨毯”。大根・キャベツ畑の合間で育てられているのが、七草の野菜たちだ。雨に弱い品種もあり、成長や変色にも気を遣う。ただ、それだけでは終わらない。例えばセリ。パックの大きさに合わせて、約15〜20cmの長さに調整するのだが、岩崎ファームでは一旦収穫したものを根から5cm程にカット。それを水耕栽培し、新芽を出してから、出荷状態まで育てている。こうした手法と栽培時期・規格の調整は、20年来試行錯誤して辿り着いたもの。念入りな準備の後、洗って整えた7種類を、パック詰めしていく。

三が日が勝負

 朝8時すぎ。アルバイトが黙々と倉庫で作業を始める。12月20日ごろから人員を増やし、ピークとなるのは元日を挟んだ1週間。各農園では、300人体制で乗り切る。高校生から主婦、部活動のグループまでさまざま。短期の求人募集にも苦心するが、アルバイトあってこその販路拡大。「正月はあってないようなもの。勝負はこの数日ですから」

三浦半島ブランドに

 『三浦七草会』では、岩崎ファームのほか、原田農園・鈴木農園・岡安園・松原農園の5農家が協力し合い、ブランドグループ「はねっ娘会」も立ち上げている。夏期には枝豆を栽培しており、七草同様にブランド化して、地場産物の消費拡大を目指す。「新しい世代に農業を引き継ぐためにも、地域の特色を上手に活かして挑戦していきたい」と岩崎さん。

 「お粥以外にも、味噌汁や洋風の料理でもおいしく食べられます」とのこと。江戸時代から広まり、正月のご馳走で疲れた胃を休める意味合いもある七草粥。今年は、地場産の『七草』でいかが―。
 

倉庫では黙々と作業が続く
倉庫では黙々と作業が続く

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