空き家対策が喫緊の課題となっている横須賀市は、定住を促す支援制度と組み合わせた独自の活用策を打ち出した。子育て世代向けの住宅バンクの助成対象者を拡大したほか、シェア居住する学生を迎え入れるための仕組みを設けた。横須賀商工会議所とも連携して企業による社宅転用を推奨、就業者の市内転入を図っていく。
企業の社宅転用も
市内の空き家件数は約2万8千件あるとされ、この先も高齢化や人口減少の影響で増加することが危惧されている。こうした事態に歯止めをかけたい市は、利活用を模索。汐入の谷戸をモデル地区に選定し、1人暮らしの大学生に下宿先として居住してもらうほか、低費で事務所を構えたいITベンチャー企業などに貸し出すなどユニークな試みを実践してきた。
新しい制度でもターゲットを明確化し、助成金などの支援メニューを用意して空き家の再生に挑む。
2015年度にスタートした「子育てファミリー等応援住宅バンク」は、引越しや物件購入、リフォームの費用を合計で最大50万円助成。対象を市外からの転入者に限定していたが、今年度からは市内在住者にも門戸を広げ、利用者を呼び込む。
学生2人以上が共同で一戸建て物件を借りて居住する際の応援制度も設けた。敷金・礼金などの初期費用を最大で15万円助成。家電購入費用にも充てることができるが、町内会や自治会への加入を義務付けており、地域の一員としての役割を担ってもらう。
空き家の社宅転用は、商議所から提案があり、市が助成制度を用意して取り組みを後押しする。市内の一戸建て中古住宅を企業が購入または賃借して社宅とする場合、リフォーム費用の2分の1、最大15万円を助成する。
商議所では会員企業に呼びかけを行っており、中古物件のリストを作成して情報の共有化を図っていく。同時に空き家のマイナスイメージの払拭にも挑む。平松廣司会頭は「谷戸の階段の多さを逆手に取って、トレーニングの場になることをアピールする。新しい発想で魅力や価値を打ち出していきたい」と意欲を述べた。
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