横須賀版 掲載号:2016年7月29日号 エリアトップへ

海の厄介者 活用探る 「アイゴ」による食害が深刻

社会

掲載号:2016年7月29日号

  • LINE
  • hatena

 三浦半島の相模湾に面する漁場などで「アイゴ」による磯焼けが問題となっている。ワカメやヒジキ・アカモクといった海藻類を食べてしまうだけでなく、毒針を持っているため市場ではほとんど買い値が付かないという。そうした「厄介者」を活用しようと市内関係者が乗り出している。

 スズキ科のアイゴは、体長30cm前後で主に沿岸の岩礁に生息。雑食性で海藻なども食べるため長井や大楠、城ケ島などの漁場で磯が死滅状態になっているという。サザエやアワビの餌となるカジメ(海藻)も食べてしまうほか、鰭(ひれ)に鋭い毒針があり、処理が遅くなると臭みが出てしまうことから、この地域での商品価値は皆無。市場でも扱いづらいと敬遠されている。

 三浦半島の主に相模湾側で、アイゴによる磯焼けが見られるようになったのは、「5〜6年前くらいから」と県の水産技術センター担当者は話す。現状としては、原因を減らすための駆除を優先している。

 藻場の保全活動として、城ケ島漁協では国の補助を受け、3年前から刺網による駆除事業を年数回実施している。長井でも数年前から漁場に見られるようになったと言い、同町漁協でも潜水部会が捕獲を行っている。海藻類を守るために必要な作業だが「手間がかかるうえに、(獲っても)流通経路もないため効率が悪い」と頭を悩ませる。

 両地区や大楠地区では、ウニの一種「ガンガゼ」による食害対策も行っており、これに加えて県では今後、地形とアイゴの生態の関連性など、調査研究も進めていくという。

「クセなく美味しい」商品化も

 そんな「厄介者」―、食すとどうか。棘や内臓をすぐに処理すれば、刺身や煮物・干物など他の魚と遜色なく美味しく食べられるという。「認知を高めて市場を開拓し、買い手が増えれば」と対策に乗り出したのが市議の嘉山淳平さん。磯焼けの現状を知り、食材としての可能性をフェイスブックで呼びかけたところ、市内の飲食店や加工業者から「使ってみたい」と声が上がった。

 市場に水揚げされたものを直送し、追浜の「うれしたのし屋」では刺身や揚物など数種類のメニューで提供。処理に手間はかかるが、「すぐに調理すればクセがなく、どんな食べ方もできる」と下澤敏也さん。味噌漬けにしてメニューに加えた「かっぱ」(追浜)代表の齋藤仁克さんは「地元の海の環境保護を、食べて応援する形になれば」と話す。ほかにも、加工業者が干物や塩こうじ漬けを試作するなど、商品化の動きが広がっている。

 「現状では”駆除”のため獲っているが、美味しく食べられる魚であることをPRして市場で正規の値が付けば、価値も生まれる」と嘉山さん。今後も、市内の飲食店などに活用を呼び掛けていくという。 

横須賀版のトップニュース最新6

「まん延防止」飲食店に打撃

「まん延防止」飲食店に打撃 経済

酒類出せず売上減に拍車

5月14日号

ブームでは終わらせない

三浦半島フードトラック協会

ブームでは終わらせない 経済

キッチンカー支援団体設立

5月14日号

中学生に「放課後の居場所」

一般社団法人sukasuka-ippo

中学生に「放課後の居場所」 教育

学習支援を軸に久里浜で新事業

5月7日号

ゴミ分別「楽しく学ぶ」

猿島

ゴミ分別「楽しく学ぶ」 社会

CFでエコステーション新設

5月7日号

御朱印求め身近な旅

開運半島詣り

御朱印求め身近な旅 社会

「龍神信仰」でつながる3社

4月30日号

空き店舗に住民つなぐカフェ

長沢

空き店舗に住民つなぐカフェ コミュニティ社会

間借り営業から独自店舗開設

4月30日号

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 5月14日0:00更新

  • 5月7日0:00更新

  • 4月23日0:00更新

横須賀版のあっとほーむデスク一覧へ

最近よく読まれている記事

バックナンバー最新号:2021年5月14日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter