横須賀・三浦 文化
公開日:2016.11.11
「歌を届ける」使命を背に
「吹奏楽の演奏に歌が入ることで、新たな楽しみを感じてもらいたい」――。2014年、海上自衛隊の横須賀音楽隊で初めて「声楽」で配属された中川麻梨子さん。全国に6つある音楽隊のうち声楽を専門とする隊員は、東京音楽隊の三宅由佳莉さんと中川さんの2人だけ。海自の歌姫として今、注目を浴びている。
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大阪府出身。母親の影響もあり、音楽科のある高校で声楽を選んだ。愛知県立芸術大大学院在籍中、音楽隊で募集をしていることを知り「私にとっては就職活動のひとつ」と臨んだ。実技や試験を経て入隊となったが「自衛隊は”固い”というイメージ。学生時代は音楽に没頭していたので、不安ばかりだった」と振り返る。
入隊後の数カ月は、他の隊員と同様に教育訓練を受けた。6時起床で教務・課業に加え、体力を要する訓練もあり、「辞めたいと頭をよぎったこともあった」。だが「歌を届けたい」という夢であり目標が、自らを奮い立たせた。
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配属から約2年、朝7時から発声練習を始め、9時には全体合奏―。そんな毎日を送っている。同隊の管轄は岩手から静岡まで。イベントやコンサートは、ほぼ毎週。季節や主催者の要望、流行などを考えたステージプログラムの企画・台本作りにも携わっており、司会も担当する。数少ない歌い手として、1人で他の音楽隊の演奏会に出演したり、式典で国家斉唱を任されることもあるという。
戸惑ったのは、これまで学んできたクラシックとは違うジャンル。「アナと雪の女王ばかり歌っていた時期もありました」と苦笑する。ポップスでは歌い方も変わるため、周囲のアドバイスを受けながら、自分らしさを模索している。併せて、「専門としてクラシックの技術も研鑽して、広げていきたい」と意気込みを語る。音楽隊に入り、好きになった曲がある。江利チエミさんの「テネシーワルツ」だ。数々の歌との出会いが、自分の視野を広げてくれたと感じている。
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音楽漬けの日々の中で、息抜きは買い物やグルメ。普段は、カラオケも好きだが「マイクを持って歌うのが慣れなくて」と話す。イベントの司会では「歌の場面と違って、標準語に苦戦しています」とはにかんだ。
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