横須賀市は、イベント等における市内への経済波及効果や各産業への影響、雇用創出を数値で割り出す「分析ツール」を開発した。初の試みとして、5月に行われたANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀大会を対象に波及効果を算出。今後、市内の大規模イベントでの活用や経年でのデータ検証も検討していく。
市内で実施されたイベントや観光施策で、どのくらいの消費と投資があり、地元経済への波及効果が生まれたのか―。
今回、「経済波及分析ツール」を開発した都市政策研究所は、調査研究や政策立案、「横須賀白書」の作成などを行う市役所内の部署。同研究所が昨年度の事業として手掛けたもので、市内の産業構造や産業相互の取引関係、経済構造などを把握する「産業連関表」を作成。これをもとにした計算式に必要な数値を入力し、消費や投資などの波及効果を測ることができる。県や政令市以外にこうした分析ツールを独自に開発する例はあまりないという。
「W杯」効果は3億円
今回初めて活用したのが、5月に津久井浜で開催されたウインドサーフィンワールドカップ。会場内外での消費単価(交通費や宿泊・飲食費、土産・買い物代など)のアンケートをもとに、来場者総数(4万9482人)から計算し、経済的な波及効果は3億578万円で、開催経費1億3464万円に対する「費用対効果」は2・27倍と算出した=左上表。雇用創出では、就業者数換算で、34人分となっている。
この分析ツールは、観光やイベント以外に建設や設備投資、生産増加による波及効果も算出できるため、同研究所では、庁内での利用を進めていく方向。担当者は「今後、市内の他の大規模なイベント等での検証に活用することができれば」と話している。
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