横須賀・三浦半島で楽しめるローカルな体験企画を売り物にしたツアーが人気を呼んでいる。農漁業の現場を訪れて生産者と一緒に収穫や加工を行い、その場で食することもできる。横須賀市議会議員の嘉山淳平さんが約1年前に「シテコベ」(長井の方言で「やってみよう」の意)と名付けた会社を立ち上げ、ツアーの企画と運営を始めた。現在は嘉山さんの地元である長井を中心に展開しているが、地域の事情に精通した人たちと手を組み、多様な体験メニューを用意していく考えだ。
地域の魅力体験サイト「シテコベ」のホームページ(【URL】http://www.shitekobe.com/)には、生産者とのダイレクトな交流を打ち出した種々のツアーが紹介され、募集が行われている。先月行われた「地元漁師と獲れたてタコの加工体験」「とうもろこしの収穫体験」は売り出してすぐに定員に達する盛況ぶり。自然を楽しみたいファミリー層からの反応が良いという。
着想のきっかけは周囲から言われ続けてきた「長井には何もない」の声。その一方で長井海の手公園・ソレイユの丘に年間70万人、大型農産物直売所のすかなごっそに40万人の人出があり、市内の観光入込客数で長井は上位を占めている。嘉山さんの頭に、雄大な自然と多彩な農水産物を観光という視点でブランド化していく考えが思い浮かんだ。
地元の生産者が発した「1個100円で出荷しているキャベツに付加価値をつけて1000円で売りたい」の声も後押しとなった。価格勝負から企画勝負への転換。収穫体験などをツアーにして売り出すことにした。
「永続的な事業にするためには、生産者と体験者をつなぐコーディネーターの存在がポイントとなる」と嘉山さん。多忙を極める生産者がツアーの全てを賄うことは難しいため、集客や運営の担い手となる人材が欠かせなくなる。生産者に利益を還元していく仕組みも重要になるという。
横須賀は東西南北で多彩な特色があり、嘉山さんはローカルな体験を農漁業以外でも展開していく考えだ。「海と風に恵まれた立地を活かしたウインドサーフィンにモノづくりの現場を訪れる工場見学など魅力的な体験メニューが企画できる」。こうした思いに賛同してくれる地域コーディネーターを求めている。
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