横須賀・三浦 人物風土記
公開日:2021.03.12
「横須賀ギターアンサンブル」代表でウェルシティ市民プラザでコンサートを開く
石田 忠さん
衣笠栄町在住 68歳
音に込める「喜怒哀楽」
○…半世紀にわたり、ギターを片時も離さなかった。自身の呼びかけで発足した「横須賀ギターアンサンブル」。今月21日(日)には、ウェルシティ市民プラザで無料コンサートを開く。団体ではタクトを振り、メンバー10人の折り重なる音色を観衆に届ける。「伴奏、コード、ビブラートなど、心地良い合奏に酔いしれてもらえれば」
○…佐野町出身。幼い頃はフルートを習っていたが、中学1年で父親が趣味として弾いていたギターに触れたのが運命の分岐点となった。ポピュラー、ジャズ、クラシックなど、様々な曲をかき鳴らした青春時代。県立横須賀高校3年次にはギター教室の門を叩き、講師から「プロ級」のお墨付きをもらうほど、才能の片鱗は早くから現れた。大学入学後も”ギター熱”は高まるばかりで、「この道で生きていこう」と卒業を待たず、21歳で「石田音楽院」を衣笠商店街に構えた。
○…順風満帆だった生活も店舗経営となると甘くなかった。楽器のローンや家賃の支払いのため、パン屋の運転手と新聞配達の仕事を掛け持ちする日々。そんな辛い時期を支えたのが、立正大学ギター部の顧問として出会った生徒で、後に妻となる淑恵さんだった。結婚後2人はデュオとしてCDをリリース。これが中国で話題を呼び、リサイタルなど音楽家としての依頼が舞い込んだ。苦楽を共にした妻だったが今年1月に病気で帰らぬ人に。「優秀な妻と一緒になれて幸せだった。寂しいけれど、体が動く限り活動は続けていく」
○…10年前にYou Tubeを始め、再生回数は300万回以上。月3回の更新が目標だ。「これまで歩んできた人生、その時々で起こった喜怒哀楽を音に乗せて、深みや味のあるギターの魅力を伝えていきたい」
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