キックボクシング・ミネルヴァピン級で新たな日本王者となった 藤原 乃愛(のあ)さん 大矢部在住 17歳
猛者を蹴散らす緑の閃光
○…拳から繰り出される打撃に加え、蹴り技も取り入れた格闘技・キックボクシング。弱冠17歳にして日本チャンピオンを強靭な足で王座から蹴落とした。念願だった高校生での日本一を達成。相手への大きなけん制となる『無敗』のパワーワードは、自身へのプレッシャーとしてものしかかった。「試合まで死に物狂いで鍛えた」。その喜びと『無敗』を守れた安堵から、勝利を語る口元が緩む。
○…地元・大矢部で道場を主宰する父の影響で3歳から始めた空手が格闘家への入り口に。当初は泣きながら稽古する日々が続いた。「痛いのが苦手」という兄妹が徐々に離脱していく中、小1で経験した大会優勝をきっかけに「人生が変わった」という。勝つ喜びや相手に打ち勝つコツを掴んでからはまさに水を得た魚。その実力は家のいたるところに飾られる100以上の賞状やトロフィーが物語る。
○…小5の時に偶然目にしたキックボクシングの本で、美貌と実力を兼ね添えた伊藤紗弥選手に憧れて方向転換。彼女の背中を追い、八王子にある所属ジムまで通った。その伊藤選手をKO負けさせた敵(かたき)が、今回日本王者の座を追いやられた対戦相手・Ayaka選手だった。まさに因縁。憧れの伊藤選手を間接的に越えてしまったことに戸惑いをみせる。
○…1日3時間、週6日通うという岩戸のジム「ROCK ON」が今の拠点。在学する横須賀大津高校ではすでに有名人。担任教諭や友人が試合会場へ応援に駆けつけてくれた。勝負カラーの緑色はもう一人の憧れ、プロレスラーのドラゴン・キッド選手に肖(あやか)った。次なる夢は「無敗のまま世界王者に」と、ラメで可愛らしい目の奥に闘志の炎を再び灯し、更なる快進撃を誓った。
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