横須賀市内で活動する認定NPO法人「なんとかなる」は、自立援助ホームに暮らす若者に向けた「金銭教育」と「貯蓄推奨」をテーマにしたプログラムを始動させる。家庭を頼れない若者がホームを退所した際に、スムーズな自立生活を送るためのサポート体制を整える。貯蓄額に応じた支援金を上乗せする独自の助成制度も創設。財源を捻出するためにクラウドファンディングで支援を呼びかける。
同法人は、家庭の事情で親を頼れない15歳から20歳までの若者に暮らしの場を与える「自立援助ホーム」を運営。前市長の吉田雄人氏が代表理事を務めている。
入居する若者の多くは、ネグレクト(育児放棄)などの虐待を受けて児童養護施設に入所し、退所後も家庭に戻ることができずに、ホームを頼ってくるケースが少なくない。親が働く姿を知らずに育ち、かつ定期的に小遣いなどを得ていた経験が乏しいために金銭管理や勤労意欲が養われていないという。さらに、9割の人が所持金を持たず、生活用品の調達もままならない中で生活をスタートさせるため、退所時に必要な資金を準備できず、「家を借りられない、仕事がない、知識もない」という三重苦に直面する。これが自立の妨げとなり、犯罪や非行を繰り返すことになる。この悪循環を断ち切るための方策として考案されたのが今回のプロジェクトだ。金銭管理教育と貯蓄推奨の両プログラムを同時に実施する。
具体的には、「認定NPO法人育て上げネット」と「SBI新生銀行グループ」と連携して、同ホームの入居者に一人暮らしに必要な生活費の計算や貯蓄の大切さなどを学ぶ機会を提供していく。勤労観や職業観を身に付ける教育も行う。働いて得た収入を貯蓄すると一定額を同法人が自立資金として積み上げるインセンティブも用意。積立金を自立した際に受け取れる仕組みを構築する。
吉田氏によれば、日本初の試みであり、自立に向けた支援の実効性が担保できれば、制度化や事業化への道筋が見えてくるという。この財源をクラウドファンディングで調達するとともに、取り組み自体を広くPRしていく。「家族を頼れなくても社会を頼ることのできる」証明の場にしていく考えだ。クラウドファンディングは「READYFOR」(【URL】https://readyfor.jp/)のサイトで1月30日(月)からスタートする。
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