横須賀・三浦 トップニュース経済
公開日:2023.04.07
シェアキッチン
飲食店創業の足掛かり
空き店舗活用で上町に開設
昭和レトロを感じる看板建築で知られる上町銀座商店会の一角に、厨房スペースを短期で貸し出す「シェアキッチン」をコンセプトにした新店舗が誕生する。空き家再生に強みを持つ不動産事業者の(株)ジェクトワン(東京都渋谷区)が飲食店の開業をめざす人などにチャレンジの場を提供していく。横須賀市も創業支援と空き店舗対策を同時に進めることが期待できるとして、この新しい取り組みに補助金を用意して後押しする。
シェアキッチンとは、厨房施設を複数の人が共同で使用していくこと。販売や飲食の提供を目的に自分の店舗として利用していくケースのほか、料理教室の開催やコミュニティースペースに使用されるものもある。
上町で展開されるのは主に前者で、飲食店の起業や開業をめざす「予備軍」、趣味の菓子作りで小商いを始めたい人などに短期で貸し出して、腕試しやマーケティングの場に活用してもらう。
利用は3カ月以上の契約で曜日貸し。時間は午前7時から午後4時、午後5時から11時の2部制とし、提供する料理のジャンルやターゲットとする層に合わせて選べる。料金は1回あたり6800円〜で売り上げに応じて10%の利用料が加算される。
通常、飲食店を開業するには厨房設備や調理器具の用意が必要となり、参入障壁は低くない。シェアキッチンでは、本格的な器材を用意してこの問題をクリア。誰でも気軽に飲食店の開業にチャレンジできる。
ジェクトワンは、都内で3軒のシェアキッチンを運営。いずれも空きビルや閉店となった店舗を改装して開業しており、ここで培ったノウハウを横須賀に持ち込む。
上町では、昨年3月に閉店した築60年以上のクリーニング店を改装して使用。昭和の時代の商業建築の佇まいを残しつつ、モダンな空間に生まれ変わらせる。現在、4月末のオープンに向けて準備を進めている。
空き店舗を活用した創業チャレンジの拠点誕生に横須賀市も期待を寄せている。建物の改修費用として最大300万円の補助金を用意。出店意欲のある人が市内外から集まり、店舗開業につながっていくことを願う。
上町商店街連合会の高梨治会長も「地域のにぎわいに資する取り組みを応援していく」と話している。出店に関する情報などは同社のホームページ(【URL】https://kitchen.akisapo.jp/yokosuka/)に詳細。
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