横須賀・三浦 人物風土記
公開日:2023.11.10
長澤武道館館長で、第32回日整全国少年柔道大会の神奈川県代表監督を務める
根岸 清道さん
長沢在住 50歳
強さの本質は心技体にあり
○…警察官を早期退職した父が1976年に創立した柔道場「長澤武道館」。その2代目館長として多くの選手を育ててきた。講道館柔道の創設者・嘉納治五郎氏の「柔道は人間教育」との教えに深く感銘。「勝利至上主義ではなく、心技体の鍛錬で人の痛みが分かる人間になってほしい」と柔の道を説く。少子化かつ習い事が多様化する昨今において柔道を選ぶ子どもは貴重な人材だ。
○…3歳から始めた柔道。父の指導は厳しく、「道場主の息子なら勝って当然」というプレッシャーを背負って育った。高校は名門の桐蔭学園へ。競技を続けながら教員になる夢を追いかけていた高3の年、兄が父の後継者とならない意思を固めたことで「それならば自分が」と一転。筑波大の推薦を辞退して柔道整復師資格を取得しようと専門学校に進んだ。
○…道場に隣接する接骨院も父から継いだ。昼は診療、夜は稽古。加えて協会・連盟の役員や大会審判を務めるなど多忙だが、七段の昇段試験合格をめざして自らも鍛錬を積む。それらは日々支えてくれる家族、指導員、門下生の保護者らの存在なくして成立しない。かつての教え子が親となって地元にUターンし、後進育成に携わってくれていることも心強く「指導者冥利に尽きる」
○…今夏行われた県予選では強豪ぞろいの中、2人の児童が優勝。県代表の座を掴んだ奮闘ぶりに思わず笑みをこぼす。全国大会初戦は宮崎県代表と激突。柔道王国の九州勢とあって厳しい試合が予想されるが、「全国制覇は十分狙える。子どもたちとともに戦いたい」と意気込む。全国の舞台でしか得られない経験もたくさんある。「多くの人に支えられて県予選を優勝できたという感謝を忘れず、強く逞しく成長する機会になれば」
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