田浦泉町のアーティスト村「HIRAKU」に移住し、美術家として活動する 鈴木 晴絵さん 横須賀市田浦泉町在住 26歳
「ここでしか描けない」求め
○…銅版画を中心に線画やコラージュなど、幅広い創作活動を展開する気鋭のアーティスト。大きさも重量もあるプレス機を置ける物件を探していた折にHIRAKUの入居者募集を知り、飛び込む気持ちで応募した。「制限なく作品制作に没頭できそう」と期待に胸を膨らませる。
○…「勉強が得意な方ではなかったけど、絵の上手さは誰にも負けない自信があった」中学時代。中高一貫の有名進学校を飛び出して、美大附属高校を受験した。そうした覚悟もあり入学当初は「誰よりも上手くなる」と気負いもあったが、現代アート作品に触れる中で「絵がうまい」の一本軸だけではなく、自分にしか表現できないメッセージ性や独自性を作品に込めるように。「作品づくり自体を楽しむ意義を学べた」とほほ笑む。
○…転機は20歳のころ。それまで続けてきた油絵が突如描けなくなるスランプに陥った。「何をどう描けば人は褒めてくれるのか」。より奇抜さ・斬新さを求め、高さ2m超のキャンバスを使ったことも。高校時代に得た教訓を忘れ、「絵を描く手段が目的となっていた」と苦い顔で振り返る。打開策を模索する中で出会ったのが版画。印刷の一瞬で作品が完成する儚さ、自然物を用いることで完成品に「揺らぎ」が生まれる奥深さに惹かれ、現在の活動の中心となっている。
○…HIRAKUでの生活は「出会いの連続」。入居者との交流や地域の児童とのワークショップ、豊かな自然など、生活の全てが制作への刺激となる。活動を取り巻く環境がここまで変わるのは初めてだが、それがどのように作用するか。「ここだからこそ得られた着想」から「ここでしかできない作品」を生み出していく。
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