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公開日:2025.08.08

三浦半島戦争遺跡
「物言わぬ語り部」後世に
自分の足でめぐるガイドブック

  • 「物言わぬ語り部」後世に (写真1)

 明治時代から昭和初期にかけて、首都防衛を目的に建設された「東京湾要塞」と呼ばれる戦争遺跡(戦跡)にスポットを当てたガイドブック『三浦半島 東京湾要塞地帯を行く!』を在野の研究家であるデビット佐藤(佐藤正弘さん/66)が作成した。東京湾要塞は三浦半島と房総半島に築かれた砲台や海堡などの軍事施設。同ガイドブックでは三浦半島に遺されている約80の戦跡を紹介している。

「『戦争遺跡』の言葉はここ20〜30年で使われるようになった表現」と佐藤さん。主に明治以降の戦争の痕跡を指すもので軍事遺構だけでなく、有形・無形のものすべてが対象であり、体験者の証言も含むというのが近年の考え方だという。

 今回手掛けたガイドブックもそうした視点に立ち、砲台跡や弾薬庫、地下壕などの施設に加え、供養塔、特攻隊員の遺品、戦時教育に用いられた二宮金次郎像ほかを盛り込んだ。数多の戦跡資料は学術的で堅苦しい記述が大半であるため平易な言葉で伝えることに力点を置き、現地を訪れて五感を通して感じてもらう作りとした。佐藤さんは「戦争遺跡が語り掛けることに耳を傾けて欲しい」と話している。

 三浦市出身の佐藤さんが戦跡に興味を持つようになったのは約30年前。幼少期の遊び場だった海岸沿いの洞窟が、太平洋戦争末期の本土決戦に備えて築かれたものであることを知り、探求心に火が付いた。三浦半島の考古学研究の先駆者である赤星直忠博士が手掛けた『三浦半島城郭史』を頼りに、休日を使って各地の戦跡を訪ね歩いた。

 2001年に独自の調査結果をまとめたホームページ「東京湾要塞」を公開。三浦半島に点在する戦跡のガイドも務めてきた。18年からはタウンニュース横須賀版(現横須賀・三浦版)で戦跡を紹介するコラムを担当。今回のガイドブックはここで取り上げてきた内容を大幅に加筆、新たな情報も追加した。戦跡の保存活用のこれからを考える対談も掲載している。

 B5判オールカラー160ページで定価2728円+税。文教堂 横須賀MORE,S店で販売しているほか、佐藤さんへの直接注文も可。

 問い合わせはメール(tkyosai830@tf6.so-net.ne.jp)へ。

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