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横須賀・三浦 トップニュース社会

公開日:2026.03.20

三浦市在住ミムラさん
本屋の明かり灯したい
書店減少、「本好き」の抗い

  • ミムラユリさん(撮影/ただいま写真館 すずきくにえ)

    ミムラユリさん(撮影/ただいま写真館 すずきくにえ)

  • 本屋の明かり灯したい (写真2)

 全国的に書店の撤退が進む中、三浦市上宮田在住のミムラユリさんが、新刊書店の開業をめざして活動している。かつて街の文化を支えた場所が消えていく現状に、「本屋の明かりを灯したい」と立ち上がった。書店空白地帯の三浦海岸付近で開設することを構想しており、手始めとして「読書の時間」を作るイベントの開催を重ねながら、年内に実現させたい意向だ。

三浦海岸で開設構想

 国内の書店数はピーク時の約2万2千店(1990年代後半)から半分以下となっており、全自治体の約3割が「無書店自治体」という状況に陥っている。趣味の多様化で「読書離れ」が進む一方、電子書籍の普及や入手手段がネットへと移行していることで、従来型の書店は経営面で苦境に立たされている。三浦市内でも新刊書籍を扱う書店は現在、三崎エリアに2店あるのみだ。

 岡山県出身のミムラさんは、2021年に川崎市から三浦市へ移住した。コロナ禍での出産を機に「自然が豊かな海の近くで暮らしたい」と選んだ新天地。しかし、街から書店の灯が消えており、「文化のよりどころ」が存在しない状況に衝撃を受けたという。

 「書店に行き、多くの本の中から一冊を選ぶ。そんな日常の楽しみが失われるのはもったいない」。ミムラさんは、自身が幼少期に町の書店で大人の世界に触れた高揚感を振り返り、三浦にも「文化的な余白」が必要だと確信。「ないならば自分で立ち上げる」と決意を固めた。

 実現に向けて動き出したのは昨年の夏。神奈川県の創業支援セミナー「すきまち(好きなまちで仕事をつくるin三浦半島)」に参加し、理想とする店のコンセプトを固めながらビジネスのプランを練り上げた。

 ここで学んだのは、実店舗を構えることの困難さ。家賃などの固定費に加え、仕入れのための運転資金も一定額必要となるため、まずは間借り営業やイベント出店などのスモールスタートを検討。現在は取り組みに賛同してくれる協力者を探している。

 構想している店舗の名称は「群青文庫」。ミムラさんの感性で選んだ新刊本が並ぶセレクトショップで、小説や芸術書、科学エッセイなど、知的好奇心を刺激するラインナップを揃える考え。「本の最初の読者になる喜びを届けたい」と、あえて新刊販売にこだわるという。

 そうした理想の店作りを模索する中で、現在の活動の中心は読書ファンを増やすことを目的とした「黙々読書会」の定期開催。「2時間ただ黙々と本を読む時間を強制的に作ることで、活字を追う楽しさを思い出してもらう」とミムラさん。自身も子育て中であり、託児サービスを設けることで、育児にかかりきりな人たちにリフレッシュの機会を提供している。

 開業資金を捻出するためのアルバイトをしながら、既存店舗の一角を借りるなどして、小規模な販売実績を作ることを目指している。「本屋は入るだけで気持ちが切り替わる空間。三浦海岸にそんな場所をつくりたい」とミムラさんは話している。

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