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藤沢版 公開:2024年5月10日 エリアトップへ

江の島ティラノサウルスレース実行委員会の実行委員長を務める 坂本 智史さん 鎌倉市在住 37歳

公開:2024年5月10日

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坂本 智史さん

裸足でラン、味わって

 ○…それは日常からの解放だ。足を覆う靴を脱ぎ捨て、浜に立つ。指先から白砂の感触をつかみ、潮風を浴び走ることのなんと気持ち良いことか。主宰する「江の島砂浜ダッシュ」に続き、2022年10月から恐竜の着ぐるみで走るティラノサウルスレースを始めたのは、多世代に裸足で走る魅力を知ってもらいたいとの思いからだ。

 ○…プレス工業に勤務。陸上競技部時代はニューイヤー駅伝を6度駆けた生粋のランナーだ。原点は大学時代。一般入学した関東学院大で、対抗心を燃やしたのはスポーツ推薦の入学組だった。長距離走は、地道な努力の結果が成績となって返ってくるスポーツだ。だから「負けたくない」。必死で練習に打ち込んだ。転機は大学が箱根駅伝の学連選抜の出場権を得た2年次。トップ選手の走りを目の当たりにし、4年次に選抜で箱根を走る夢を叶えた。「自分の息遣いと足音しか聞こえない不思議な感覚だった」。あの景色が人生の起点になった。

 ○…6歳と4歳、2児の父。ティラノサウルスレースを始めたのは「子どもは恐竜が好きだから」との思惑もあったが、愛息たちは「何度も着ぐるみを着て飽きちゃって」と苦笑い。4年前に始めた江の島砂浜ダッシュでは、朝6時50分から200mを20本走る。細かな時間設定は早朝の気持ち良さを参加者に伝えるだけでなく、実は個人的な理由も。「妻が出勤する時間までに何としても帰宅しないといけないので」と笑う。

 ○…カラフルな恐竜が砂浜を埋めつくすユニークな光景はお馴染みになりつつある。開催ができるのは、仲間や有志の支えがあってこそ、と周囲への感謝が口をつく。「皆とのつながりが形になったイベント。これからも続けていきたい」

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