鎌倉 タウンレポート 【1】 "団塊の世代"進むか地域へ
1947年から49年生まれのいわゆる「団塊の世代」が、07年から定年退職する60歳を迎えた。また、再雇用などで65歳まで働く人も12年には、勤めを終え地域に戻ることになる。
この世代の人口ボリュームの多さは、鎌倉市でも例外ではない。市の人口17万7300人の内、9469人と5%以上を占める(10年10月1日現在)。市高齢者いきいき課では、「わずか3年の世代でこの人口規模はとても大きい」と指摘する。一つ上の46年生まれは2096人、また一つ下の50年生まれは2650人となっており、一世代平均3150人を超す団塊の世代と大幅な開きが見られる(表参照)。
市は60歳以上を対象に様々なサービスを提供している。健康づくりや介護予防を目的とした「いきいきサークル」事業は、市民グループの自主的活動を月1万円で支援する。現在26団体が登録している。また市内に5つある福祉センターは、(社福)鎌倉市社会福祉協議会を指定管理者に、サークル活動などが活発だという。老人クラブの連合体「市老人クラブ連合会(みらいふる鎌倉)」やシルバー人材センターでは、生き甲斐づくりや就労機会の提供なども行っている。
しかし、いずれのサービスも70代が中心だ。福祉センターの利用者においては、60代はわずか2割にとどまる。今後、市では団塊の世代を含む60代への利用促進が課題だという。
まずは参加してみる
大手広告代理店で営業局長、その後同業他社で取締役も務めた市内材木座在住の原晴實さん(67)は、60歳を過ぎて独立、自宅を事務所に広告代理店を設立した。現在はロータリークラブや法人会、またゴルフ協会に入るなど地域での輪を広げてきた。
リタイア当初は、市が呼びかける活動に参加してみたという。「シルバー人材センターに登録して、駐車場警備もやりました」と話す。
団塊の世代については、「サラリーマン時代は会社の『看板』があるが、退職したらそれは関係なくなる。小さくても地域のお役に立つことを考える。多少の出費をしながら地域で楽しむことが大切」と語った。また「その気になれば誰でもできる」と起業の勧めも。
リタイア後も”現役”として輝くには、まずは地域の活動に参加して仲間をつくる、それが最初の一歩となるようだ。
駅前朝市に3500人3月29日 |
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