8月29日に内閣府が発表した「南海トラフ巨大地震」で、鎌倉市は最大津波高10m、浸水域1・7平方キロメートルの被害想定となった。今年3月に県が最大規模の被害を想定して出した津波浸水予測は今回の発表を上回っており、市総合防災課では、「今まで通り県の想定を基にした対応を行っていく」としている。
今年3月に県が発表した津波浸水予測では、鎌倉市は最大津波高14・5m、浸水範囲3・01平方キロメートルと想定された。同課ではこの数値を基にした対策を行っており、今回の内閣府の発表を冷静に受け止めている。
内閣府発表で県内の津波による死者が2900人と想定されたことに対し、市内における被害予測については「市町村単位での試算は難しい」とした。
同課では、津波への基本対策として「高台への避難」をより徹底させたい考えだ。
昨年、市内の電柱に海抜表示を設置。今年7月からは、海抜が低い市内材木座地区に、安全な場所へ避難誘導するための路面シートを設置している。また、市が指定している沿岸部の民間の津波避難ビルを、8月には7カ所追加し、全27カ所とした。
同課では、避難する際の空地(高台)の方向や場所、新たに追加された津波避難ビルなどを盛り込んだ正式なハザードマップを、「年内を目標に作成したい」としている。
また、災害情報を提供するため、市内に設置された屋外スピーカーの補完対策として、防災無線の受信機1600台を用意し、今年度中に希望者への有償配布を開始する予定だという。
同課では「ビルの指定などはあくまでも補完対策で、避難の基本はまず高台に逃げること」としている。
暫定版の市津波浸水予測図や市の海抜マップは同課で無料配布しており、市のホームページでもダウンロードできる。
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