鎌倉市は、防災行政用無線の聴き取りにくい地域対策として、「戸別受信機」(防災ラジオ)の申込みを12月下旬から受け付ける。市が11月に貸し出したモニター機の申込者をはじめ、受信機を必要とする市民を対象に1台2千円で「有償配布」する。一方、昨年、市が各所で実施した電波調査によると、そもそも無線を受信できない地域が複数あり、その対策の充実も急務となっている。
この防災ラジオは、鎌倉市の防災行政用無線の周波数に合わせて製造された専用の機器。高さ87㎜、幅200㎜、奥行き96㎜で重量は約450g。
AMおよびFMのラジオ放送を聴くことができ、側面には小型のLEDライトを装備する。電源は、コンセントにつなぐACアダプター、または単三アルカリ乾電池3本による。
ラジオ聴取時でも、緊急時には無線放送に自動的に切り替わるという。また、防災モードにして電源を入れておけば、緊急時に無線を受信することができる。市は、約1340万円をかけ1600台用意した。
戸別受信機の導入は、東日本大震災後に市民から多数寄せられた、防災無線が聴き取りにくいという声を受けてのもの。
総合防災課によれば、鎌倉市は谷戸が多く、電波が届きにくい地域が多いという。また、防災無線の発信地が由比ガ浜の消防本部ということもあり、市の昨年の調査では大船や腰越などで、無線を受信できない地域が複数確認されている。
無線補完に携帯メールも
11月に実施されたモニター機貸出の申し込みはわずか約30件だった。有償配布に向けて同課では「昨年の調査結果などから居住地の受信状況を把握していて、すでに購入を決めている人もいる」として、モニター機申込の件数とは一概に関係しないとしている。
同課では防災無線の補完として7つの対策を提示しており、その中でも携帯電話所有者であればだれもが活用できる「防災・安全情報メールサービス」の有効性が一番高いとしている。
防災ラジオの申込やメールサービスなどについては【電話】0467・23・3000市総合防災課へ。
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